40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

健康リスクマネジメント 241  空腹は最大の力なり 17 オートファジーのメカニズムの発見

ではオートファジーとは何か、

「子供たちに聞かせてあげたいノーベル賞 2016」に

易しい説明がなされていますので要旨を紹介しておきます。

 

・・・2016 年ノーベル生理学・医学賞

「オートファジーのメカニズムの発見」として大隅良典博士に授与されます。

オートファジーは日本語では「自食」と訳しますが、

細胞の中で不要になったタンパク質やミトコンドリアなどの細胞内器官を分解して

再利用する仕組みのことを表す言葉です。

強力な分解酵素を使うため、細胞が丸ごと溶かされてしまうことがないように、

細胞の内部に脂の膜でできた袋状の構造(=小胞)で隔離した環境を構築し、

その中で分解作業を行います。

細胞内の不要物を分解する機能は他にもあるのですが、

オートファジーの特徴は古くなったタンパク質はもちろん、

ミトコンドリアのような巨大な細胞内小器官さえも丸のみするように

分解してしまう点にあります。

オートファジーは、栄養不足で細胞が飢餓状態に陥った時、

細胞内の重要度の低い成分を分解してより重要な成分の合成に再利用して

延命策を図るなど、生命維持の根幹にかかわっています。

また、オートファジーは細胞に感染した有害な微生物やウイルスを分解処分したり、

ある種の神経疾患のように細胞の中で壊れたタンパク質が

毒性作用のあるかたまりを作ったときにそれを分解したりする際にも活躍します。

オートファジーは当初、酵母を飢餓状態にすること、

つまりストレスに対する細胞の応答現象として認識されました。

ですが、現在では細胞機能の基本的なメカニズムとして

細胞の誕生から死までの間、連続して働き続け、細胞の恒常性、

つまりいろいろな環境変化に細胞がさらされても、

細胞の状態を一定に保ち続けることに重要な役割を果たしているらしいことが

確認されています。

また、オートファジーは劣化タンパク質だけでなく、

ミトコンドリアなどの巨大な細胞内小器官を大量に分解して

資源化を行うことができる唯一のしくみです。

そのため、細胞分裂や受精卵が成長するときのような、

細胞の劇的変化を伴う生理学的プロセスにも大きく関与しています。

オートファジーは私たちが健康に生き続けるために

進化の過程で生み出された不要物の優れた再資源化方法ですが、

オートファジーが私たちの病気の原因となることもあります。

本来オートファジーは細胞内に侵入した病原菌やウイルスを分解して

細胞の健康状態を保つことも一つの重要な役目ですが、

ある種のウイルスおよび細胞内細菌は、

オートファジーによる細胞防御機構を巧みに回避する能力を身につけ、

さらには、オートファジーで宿主の細胞内組織を分解させ、

吐き出された分解物をエサやエネルギー源として利用して増殖するものもいます。

大隅博士によるオートファジー遺伝子の発見と分子機構の解明は、

細胞が自分自身の内部の構造物を分解、再利用する方法を明らかにしたことにとどまらず、

オートファジーが人間の健康と病気に大きな影響を及ぼす

細胞生理学における基本的な生命活動であることを説明したと認識されています。・・・・