健康リスクマネジメント 249 空腹は最大の力なり 25 がんは肥満から生まれる
1・がん
がんのメカニズム
60兆の細胞は遺伝子(DNA)が正確にコピーされ、生まれ変わっています。
しかし、そのDNAが傷つけられるとコピーミスで突然変異でがん細胞が生まれます。
胃や腸、臓器に傷がつくとがん細胞が生まれます。
正常なDNAがそうならないようなコントロールをしていますが、
DNAのミスコピーは厄介です。
そしてDNAは外部からの刺激、活性酸素などで様々な攻撃を受けています。
毎日、3000~5000個のがん細胞が生まれているのです。
ただ人間はそのDNAを修復する酵素があります。
ですから傷ついたDNAはすぐに修復されるのです。
これを「アポトーシス」
(多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死)
のことといいます。しかし、これがブレーキにならなければ、
全身をパトロールしている免疫細胞が発生したがん細胞を除去してくれます。
こうして人は二重三重の防御システムでがんから守られているのです。
しかし、しつこいDNAへの攻撃が増えたり、加齢で修復機能、
またアポトーシス機能、免疫機能が落ちると生き残っていくことになります。
では空腹16時間でなぜがんの予防になるのかです。
国際がん研究機関の調査では、腹囲が11㎝、
増えるごとにがんリスクは13%上昇するといいます。
また糖尿病では、肥満リスクが1.2倍になるといいます。
その理由は、内臓脂肪です。内臓脂肪は、
インスリンに対する体の反応を低下させる働きがあります。
つまり内臓脂肪が多い人は、少ない人に比べ、血糖値が下がりにくいのです。
血糖値を下げるためにより多くのインスリンを分泌しようと頑張り、
かえって体内のインスリン濃度が高くなるので
体の中に
・アポトーシスが起こらない
・細胞の増殖が促進される
この理由で、がん細胞が生き残っていくことになります。
また、内臓脂肪が増えすぎるとがん細胞の増殖を促す
悪玉ホルモン(IL-6・インターロイキン-6はT細胞やマクロファージ等の細胞により産生されるレクチン)
が分泌させることになります。
日本がん学会の研究では、22種類のがんのうち、17種類のがんは、
肥満になればなるほど増える、ということが明白です。
とくに大腸がん、肝臓がん、すい臓がん、子宮がん、腎臓がんは
肥満の影響が最も受けやすいといいます。
また日本がん学会の研究では、タバコの原因が30%、肥満の要因が30%といいます。
肥満にならないというのは、タバコと同じくがん予防に重要な要素だといえます。