40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

発酵食パワー 19 発酵と発酵食品 18 チーズ 

乳に凝乳酵素有機酸を加えるか、

または加熱して乳中のタンパク質を凝固させたのち、

布などで水分(ホエイwheyまたは乳清という。

乳糖、灰分および少量のタンパク質を含む白濁した帯黄色の液体)を除去したもの。

ホエイを除去したのちのタンパク質を主成分とする凝固物をカードcurdとよび、

原料乳の成分によって組成が変化します。

脱脂乳からつくられたものを脱脂チーズ、同様に全乳からは全脂チーズ、

クリームからはクリームチーズとよびますが、

これらの組成上の差はカード中の乳脂肪含量の差です。

チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズに大別されます。

ナチュラルチーズは、カードを新鮮なまま食用に供するものから、

1年以上も発酵、熟成の期間を要するものなど多種類にわたりますが、

一般に製造工程で加熱処理を行わず、

チーズ中に乳酸菌や酵素がそのまま残っているものをいいます。

一方ナチュラルチーズの種類や熟成度の異なるものを配合、

加熱溶解して成型したものをプロセスチーズといいます。

保存性の高い均一な品質が得られやすく、工業生産が可能なので、

アメリカ、日本でとくに発達しました。

チーズという英語はラテン語のcāseusに由来し、

ドイツ語のケーゼKäse、イタリア語のカシオcacioも同語源です。

またフランス語のフロマージュfromageもラテン語のforma(形づくる)

によるといわれます。

しかし、元来のチーズの原産地は西南アジアと考えられ、

レンネット酵素(ウシやヒツジなどの胃から抽出した凝乳酵素)の発見以来、

乳酸発酵とそれを併用する製法がおもに西欧に伝わり、

旧来の酸凝固型のものに加え、多くの品種を生んだのです。

一方、東はモンゴルに至る広い内陸一帯にも、

古くから酸凝固型や加熱濃縮型などの製法のチーズが存在し、

インドでは、宗教的な理由から動物性の凝乳酵素は忌避され、

柑橘類の果汁や工業的には乳酸、クエン酸などが用いられています。

搾りたての乳をそのまま放置しておくと、

自然に乳酸菌発酵をおこしながら脂肪が上層に浮上し、

その下にタンパク質(とくにカゼイン)が乳酸で凝固したカードと、

ホエイの3層に分かれます。

したがって、人類は家畜の乳を利用し始めた初期の段階から、

バターやカードは容易に得ることができたと考えられ、

その保存にはまず単純な加熱や乾燥、加塩などの方法がとられたに違いなく、

現在の内陸一帯の遊牧民のチーズも、脱脂酸乳を加熱して得た

カードに塩を加えて手で握るなどして、

それを天日で風干しにしたものが多いのです。

チーズの歴史は、紀元前3000年ごろのメソポタミアの粘土板文書にある

記録をはじめ、同じころのオリエント一帯の遺跡から、

小さな穴がたくさんあるチーズ製造用の漉(こ)し器と考えられる

土器が多数出土しているほか、スイスの湖上住居文化遺跡からも

その木製品が出土しているというから、

酸凝固型のチーズはさらに広い地域に古くからあったことが考えられます。

ウシやヒツジの胃袋のレンネット酵素の発見の時期は不明ですが、

比較的後代のことのようで、

考古学的には前900年ごろのカフカスコーカサス

のウラルトゥ王国の城の台所から、ヒツジの胃袋の切れ端や穀類、

干しぶどうなどの酵母が入った土器が出土しています。

それらの製法はバルカン半島多島海を経てヨーロッパに伝わり、

ローマ帝国の発展とともに南からゲルマン民族へとしだいに広く伝播)

したものと考えられています。

チーズは、原料乳(ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダ、トナカイなどの乳)や

風土、製法などの違いによって世界各地に多くの品種を生み出し、

その数は600種とも800種ともいわれます。

たとえばモンゴルでは五畜(ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダ)の乳から

クリーミーなものや干した脱脂チーズをつくり、

フランスではウシやヤギやヒツジの乳から300種もの風味の違った

チーズをつくっている。

西欧のチーズ作りの技術は、ワインやビールの醸造とともに

中世の修道院の力に負うところが多く、

チーズの場合はとくにシトー修道会(俗称トラピスト)が

果たした役割が大きいのです。

工業的生産は1851年にジョージ・ウィリアムズ

アメリカのニューヨーク州

小規模なチェダーチーズの工場をつくってからのことで、

70年ころデンマークのハンセンが精製レンネットを市販するようになってから、

20世紀初頭にかけて工場生産が普及しました。

プロセスチーズは1904年にアメリカでクラフトが製造を開始し、

16年にチーズを加熱溶解して成型する製法に特許が成立しました。