40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

健康リスクマネジメント 76 病気の方程式 67 病原性微生物

どんなに清潔な暮らしをしていても、

私たちの周りにはいつもバイ菌が存在しています。

病院の無菌室にでもいないかぎり、

私たちはバイ菌と一緒に暮らしているようなものです。

そんな中で私たちは常にバイ菌をやっつけながら健康を保っています。

私たちは生まれてから日常的に無数のバイ菌、すなわち「微生物」に接触しています。

微生物は大まかに「細菌」「ウイルス」「真菌(カビ)」「寄生虫」に分類されます。

このうち細菌は外部から侵入するだけでなく、

普段から私たちの体内にずっと居続け、

いい意味でも悪い意味でも共存していることが多いのです。

例えば、皮膚にはブドウ球菌、口内にはレンサ球菌、大腸には大腸菌といった

数々の細菌が、普段は悪さをしない「常在菌」として存在しています。

常在菌は新たに侵入してくる微生物がそこで増殖するのを防ぐのに役立っています。

納豆やみそ、キムチやヨーグルトがめったに腐らないのは、

その中に大量の菌がすでに存在しているからです。

しかし、なんらかのきっかけで常在菌が悪さをしたり、

一部の人がもっている菌やウイルスが病気を発症させたりする場合があります。

 誤嚥性(ごえんせい)肺炎や

膿瘍(のうよう)(感染で膿(うみ)がたまった状態)の原因となる嫌気性菌は

すべての人の口腔(こうくう)内や腸管に存在していますし、

人によっては胃潰瘍(かいよう)の原因となる

ピロリ菌や肝炎の原因となる肝炎ウイルスと共存している場合もあります。

このように、体の中に「菌がいる」という事実があっても、それが正常であったり、

病気として発症していなかったりする状態を「保菌」と言います。

私たちは「保菌」をしながら、様々な微生物と共存しているのです。

一方、微生物の体内での異常増殖によって、

病気としてなんらかの症状が出ている状態を「感染症」と言います。

ニキビが腫れて少し白っぽく膨らんだ状態や、爪を深く切りすぎて爪の横が腫れ、

青白っぽくなった状態などは、私たちが日常よく目にする細菌感染症の実例です。

表面的に見えない細菌感染症には、肺炎、膀胱(ぼうこう)炎など多数ありますが、

普段健康な人にはあまり縁がありません。

ウイルス感染症としては、みなさんおなじみのかぜやインフルエンザ、

ノロウイルスによる感染性胃腸炎がその代表例です。

真菌による感染症としては、足の水虫など皮膚の真菌感染症があります。

このほか、大きな寄生虫(カイチュウやサナダムシなど)は

内臓や腸管の中に寄生し、小さな寄生虫マラリア原虫など)は

細胞の中に寄生して感染症を引き起こします。

このようにさまざまな病原微生物によって、

私たちの体は常に「感染症」の危険にさらされているのです。

 

(「私たちは病原微生物と一緒に暮らしている」弘前大学大学院医学研究科臨床検査医学講座准教授 齋藤紀先参照)