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脚気はビタミンB1欠乏症の中に入ります。この症状は次のようなものです。
ビタミンB1欠乏症とは、ビタミンB1が不足することから症状を呈するようになる状態です。
ビタミンB1は別名「チアミン」とも呼ばれ、8種類存在するビタミンB群のなかに含まれます。
炭水化物からエネルギーを産生するためにとても大切な役割を果たすビタミンです。
ビタミンB1が不足するとエネルギー産生が障害を受ける結果、全身各種臓器に症状を認めるようになります。
ビタミンB1欠乏症は発展途上国やアルコール依存症の方で認めることが多く、
代表的な病気として「脚気かっけ」や「ウェルニッケ・コルサコフ症候群」を引き起こします。
ビタミンB1欠乏症は、体内におけるビタミンB1が低下することを原因として発症します。
発症原因は、大きく、一次性ビタミンB1欠乏(摂取量不足)と、
二次性ビタミンB1欠乏(その他)に分けて考えることができます。
一次性ビタミンB1欠乏
経口ビタミンB1摂取量が低下することから引き起こされます。
ビタミンB1は豚肉を中心とした食品に多く含まれています。
また、これらを多く含む食事であっても、バランスよく摂取することができない状況ではビタミンB1が不足します。
発展途上国の一部では白米や白小麦などの炭水化物に偏った食事しか取れない地域があります。こ
うした地域では炭水化物の処理をするために十分なビタミンB1を摂取することができず、
ビタミンB1欠乏症を発症することになります。
二次性ビタミン欠乏
経口摂取が十分できる環境であるにもかかわらず発症する状況を指します。
たとえば体の代謝が上がっている状況ではビタミンB1の需要量が増加します。
具体的には甲状腺機能亢進症、妊娠期間中、授乳中、発熱時などがこれに当たります。
こうしたときに需要に見合った量のビタミンB1が摂取できないと欠乏症を発症することになります。
その他長期的な下痢があるときにはビタミンB1の吸収が十分にできなくなりますし、
肝臓の障害が強い場合にはエネルギー代謝ができなくなることから
欠乏症症状を引き起こすことがあります。
アルコール依存症は以上のような原因が重なりやすい状況であり
(摂取量の不足や吸収障害、エネルギー需要量の増加、肝機能障害など)、
ビタミンB1欠乏症を発症するリスクが特に高いと考えられています。
ビタミンB1は炭水化物を有効に処理し、
体にとって必要なATPを産生するのに重要な役割を果たしています。
ATPは神経を代表とした全身各種臓器がはたらくために、必要不可欠なエネルギーです。
したがって、ビタミンB1が欠乏するような状況下では、
各種臓器に症状が引き起こされることになります。
ビタミンB1欠乏による初期症状は特有なものではなく、疲れや食欲不振などです。
欠乏状態が強くなると脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群などが引き起こされるようになります。