40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

断食施設運営 裏話 03 酵素断食はかなり危険です

おそらく日本の断食施設では、最初に酵素断食を取り入れたのは、私が運営していた施設だった思います。

それから10年後に誰が始めたのでしょうか、酵素ジュースの通信販売と自宅での断食のアピールが始まりました。

しかし、この安易な酵素ジュース販売は、ほんとうの断食を知らない販売業者の所業だと思います。

ましてや自宅でしかも自己流で断食を奨める業者は無責任にもはなはだしいビジネスだと思わざるをえません。

断食をあまりにも軽んじているし、断食の意味をまったく分かっていないお金儲けだけの愚かなビジネスモデルだと思います。

ブログで「修道院の断食」を紹介させていただきましたが、ほんとうの断食の意味が分かったら、この業者たちはその無責任を修道院でまず悔い改め、ただちに止めた方がいいのではないでしょうか。

 

なぜ酵素ジュース断食が問題なのでしょう。

酵素はそもそも栄養素でもなんでもないことです。

酵素は生体内で合成された「触媒」です。栄養素は学校の教科書で習ったように「炭水化物(糖質・食物繊維)」「タンパク質」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」ですから、栄養学的にいうと酵素はタンパク質の一種に含むことができますが、ビタミンやミネラルのように独自の機能性をもった栄養そのものではないのです。

酵素ジュースの宣伝は根本から間違っていることになります。

あえていうなら「野菜・果物発酵飲料」とか表記しないといけないのではないかと思います。

さて「触媒」についてですが、触媒とは、化学反応をスムーズに行うための助人で、特に生体内で合成された触媒として働く物質を「酵素」といいます。

したがって私たちの器官や細胞では常に様々な化学反応が行なわれていて、「消化」や「代謝」も酵素の触媒作用の結果といえます。

 

また、この酵素栄養学を唱えたハウエル博士の論文は、科学的根拠もないと言われています。

しかもかなり以前の理論ですから、多くの問題があります。

また、酵素栄養学では生物が一生で生成できる酵素の量は決まっていて、それを消費してしまうと病気や寿命に影響するとされていますし、酵素の総量が決まっているため、「消化に酵素を使ってしまうと代謝に使える酵素の量が減ってしまい、太りやすくなる」と書かれたものまでありますが、これも科学的根拠が全くありません。

むしろ酵素は消費するものではなく、使い回しができるものです。酵素は酸素やミネラルなどの原子・分子を別の物質に供給することで触媒として働きますが、なくなるわけでなく、使われた酵素に血液などから再び原子・分子が供給されると、また触媒として機能できるのです。

永久不滅とまでではありませんが、何度でも繰り返し使える物質なのです。

 

また、劣化などにより酵素が少なくなると、遺伝情報に基づき再合成されます。最新の分子生物学によると、酵素の合成はその種類ごとに遺伝子によって個別にコントロールされていることがわかっています。

ですから「消化酵素を使ってしまうと代謝酵素が足りなくなる」というのはあり得ないことなのです。

どうも怪しい酵素の実態が見えてきました。

酵素栄養学」ではなく、「発酵栄養学」でなければいけないという根拠の一つを紹介しました。

そして「発酵薬膳ファスティング」を唱える「藤樹の宿」で、まず、リセットして、からだの中を発酵食で満たしてください。