40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

断食施設運営 裏話 04 酵素ジュースの嘘・生きた発酵ジュースこそ真実

酵素ジュースで断食を推奨している通信販売のサイトはどこかで実態のない酵素をまるですぐ効く栄養素のように宣伝していますが、酵素ジュースをただ売るためだけの手段だと言わざるを得ません。

また、あるサイトでは、“生きた酵素”や“酵素が死んでしまう”と書き方が多いのですが、これもかなりおかしな表現なのです。

酵素は微生物のような生き物ではありませんから、このサイトのように “生きる”“死ぬ”といった表現は全くの嘘、間違いです。

 

酵素には反応性が最も高まる温度等の条件があります。

温度は35℃~40℃が一般的で、動物の体温と一緒。酵素は体内で一番機能しやすいように生成されているのです。

この温度外では活性が失われるため、化学反応が進みにくくなります。

この酵素の状態を失活と言います。

酵素は生命体ではないので、生きている状態でも活性化や失活をしています。

そして酵素はタンパク質でもあるので、一度高温にさらしてしまうと温度を下げても元に戻りません。

これは卵と一緒で生卵を茹でたり焼いたりすると固まって、冷やしても元の状態には戻りません。

このタンパク質の性質を不可逆的変化といいます。

 

私たちが口から食品として酵素を摂取しても、それはタンパク質として受け入れられます。

つまり、肉や魚と同様に消化器官でアミノ酸に分解されるわけです。

酵素を摂取したからと言って、体内の酵素生成量に変化が起きることは確認されていません。

酵素は必要な時に必要なだけ生成されているからです。

また、代謝を行う酵素よりも消化のための酵素が優先されるという点も科学的に証明されていません。

だから“消化酵素を節約すれば代謝酵素が回され、痩せやすい体質になる”という説明も嘘だということになります。

 

こうした誤解を与える表現を行った酵素サプリメントの販売者に対し、アメリカのFDA(食品医薬品局)は科学的根拠に乏しいとして警告を出したということです。

日本では酵素ジュースも野放しですが、断食に無条件に使用するのは危険極まりないことです。

酵素が断食中の栄養素がないのにまるで断食を支えるかのような広告自体が嘘だからです。

私も酵素断食を40日間、体験してみましたが、酵素を飲んで40日間、元気だったのは酵素を抽出するということで使用する白(または黒)砂糖の糖分だったのです。

また、酵素ジュースには100種類とか野草100種類などと書かれたサイト広告を見ますが、これも怪しいもので誰も100や200種類を見たこともなく、点検したこともありませんから、書き放題です。

そしてほんとうに発酵しているかどうかも疑わしいものもあります。

 

生きた酵素は、本来、発酵食の中にあるものですから、酵素ジュースの中にあるとは思えません。

にもかかわらず酵素断食のみを推奨するのは、危険極まりない断食になってしまいます。

私たちがなぜ「発酵薬膳ファスティング」なのかはこうした無責任な酵素ジュース断食をストップさせるためなのです。