発酵食パワー 01 善玉菌、悪玉菌、日和見菌
これから発酵食パワーについて連載していきますが、発酵食パワーとは
1・食材のうま味を増し、栄養吸収率を高める
2・加齢とともに低下する代謝率を上げる
3・腸内環境を整えて、免疫力を高めることで、
抗がん、抗アレルギー効果が期待できる
4・超年齢を若く保ち、細胞の代謝を高めることで、美肌、美髪効果が期待できる
では発酵食(注・01)は日本古来から、
食事の中に取り入れられて日常的に食べられてきたのです。
この日本の発酵食(品)が、日本人の長寿と深く結びついているのです。
なぜならば発酵食は、人間の腸内環境を整え、
改善するすばらしい発酵パワーがあるからなのです。
人間の腸には、約100兆個の腸内細菌が住んでいるのです。
その種類は、400~500あります。
大まかにいいますと下記の3つです。
1・善玉菌
の腸内に存在する細菌のうち、その活動によって生み出される代謝物が
人の健康維持に貢献するもの。ビフィズス菌・乳酸菌など。
2・悪玉菌
人の腸内に存在する細菌のうち、その活動によって生み出される代謝物が
人の健康維持に害をなすもの。大腸菌、ウェルシュ菌、ぶどう球菌など。
3・日和見菌
ふだんは良い働きもしないし、悪い働きもしない細菌。
しかし、腸内に悪玉菌が増加すると加勢し、有害な作用を及ぼす。
健康な人の場合
善玉菌 2 悪玉菌 1 日和見菌 7
これが加齢とともに善玉菌が減って、腸内環境のバランスが崩れていきます。
それを救うのが発酵食です。
多くの研究から、発酵食には、腸内の善玉菌を増やし、
免疫力をアップさせる効果があることは明らかになっています。
発酵食で免疫力がアップするそのメカニズムとはどういうものでしょうか。
免疫(注・02)簡単にいえば「自然免疫力」のことです。
つまり免疫力が高ければ、病気にかかりにくく、かかっても軽症で済みます。
しかし、逆に低いと病気にかかりやすく、重症化しやすくなります。
(注・01)発酵食
みそ、しょうゆ、酒類などのように、微生物を利用し、
その増殖により産生する物質を利用したり、
あるいは微生物の酵素による働きを利用して、
食品材料の変化をおこさせた食品の総称。微生物を利用して物質を生成したり、
分解することを発酵とよび、発酵によって食品加工を行うことを醸造、
できた食品を発酵食品、あるいは醸造品という。
利用される微生物の種類としては、酵母、カビ、細菌に分類される。
しかし、これらのいくつかを組み合わせて発酵させるものもある。
酵母を使用するものとしては、主としてアルコール飲料類があり、
ビール、ワイン、その他の果実酒、パンなどがあげられる。
また、酵母で発酵をしたのち、できあがったアルコールを蒸留する蒸留酒も
発酵食品の一つと考えてよい。
カビを利用するものとしては、かつお節が代表的なものであり、
さらにカビと酵母を併用するものとして、
糖化とアルコール発酵を行う焼酎(しょうちゅう)類がある。
また、細菌を利用するものとしては、
納豆、ヨーグルト、チーズ、漬物の一種、酢の一部などがある。
カビ、酵母、細菌の三者をうまく組み合わせて利用するものとしては、
みそ、しょうゆ、清酒など、日本独特の食品が多い。
発酵ののち熟成などを伴う場合は、
とくに醸造ということばを用い、酒、みそ、しょうゆなどがこれに分類される。
発酵食品の特徴は微生物の作用によって多くの物質がつくられ、
微妙な風味がつくられることにある。
もとの材料にない味ができ、非常に食品的な価値が高くなるが、
発酵の条件のコントロールがむずかしく、
また、目的と異なる微生物の付着により腐敗してしまうこともあり、
かなりのこつと経験を必要とする。
(注・02)免疫
免疫とは「疫(えき)から免れる(まぬがれる)」、
すなわち「伝染病」などからのがれるということを意味する言葉です。
たとえば、一度「はしか」などの伝染病にかかったほとんどの人は
その伝染病にかからなくなります。これを「免疫ができた」と言います。
この免疫システムは、体内に侵入した
細菌やウイルスなどを異物(自分以外のもの)として攻撃することで、
自分の身体を正常に保つという大切な働きをします。