健康リスクマネジメント 238 空腹は最大の力なり 14 食べ過ぎは加齢とともに体へのダメージは増大
私は今年70歳ですが、先般、ある大きなホテルの温泉に行き、驚きました。
私と同年代かその前後の年齢の大半が、メタボ、太鼓腹のタラースでした。
そしてメタボ、つまり食べ過ぎでそうなった年齢を見ると
青木医師の指摘されるように1日3食という食生活で
いつの間にか食べ過ぎ症候群になってしまった人たちの姿を目の当たりにしたのです。
幼いころから食べ過ぎよりも
年齢を重ねた加齢のアップとともにダメージを受けています。
米国人では、10人に4人がBMIが30以上の肥満といわれています。
米国でも日本と同じく、人口の多いベビーブーム世代が高齢化し、
認知機能の低下のリスクが肥満増加に比例して高まっています。
このような高齢者の脳の健康を維持することは米国の緊急課題として、
すでに国家プロジェクトが立ち上がっていますが、日本はまったくありません。
日本でも超高齢化で正しい、
健康的な食事や運動の習慣化を促進する国家プロジェクトは
至急、取り組まなければならないのです。
2年前に滋賀県ビジネスコンテストでこのビジネス展開を発表したのですが、
第一次審査で審査委員の質問を聞いて、全く問題意識もゼロであり、
そのちぐはぐな質問に閉口しました。
その後、滋賀県の主催する「健康滋賀」の勉強会、交流会に数回は参加しましたが、
いつもその違和感にただ驚くのみでした。
本当の危機感が参加者に何もないからです。
すでに米国の研究で肥満やメタボリックシンドローム、
心臓病、2型糖尿病、脳卒中などのリスクが上昇するといわれています。
そして米国の成人の4人に1人がメタボに該当しています。
中でも肥満や代謝異常のある人は、認知機能にも異常があらわれやすく、
食事や運動などの生活スタイルを改善し、
肥満やメタボリックシンドロームに早期に対策を講ずることにより、
脳やすべての健康を維持することになります。
すでに米国だけではなく、欧州など先進国では取り組んでいることなのです。
これは予防医学、公衆衛生学の常識なのですが、
この先進国の中で最も遅れているのが我が国なのです。
これから早急に行政すべてをあげて保健指導や医療に関わる専門職、
関連の知識を総動員して国民の全生活スタイルを改善させ、
徹底した予防医学、公衆衛生戦略を組み立て、
発動させなければならないのです。
青木医師の著書で米国の医学界では
空腹=断食研究が盛んに行われているということです。
つまりカロリーを抑えることが、控えることは様々な病気を遠ざけること、
また、長生きにつながることに加え、
体重、体脂肪の減少につながることをさらに
下記の病気の予防に大きな効果があるという研究が盛んなのです。
1・糖尿病
2・悪性腫瘍(がん)
こうした研究が盛んな米国に比べ、日本はどうなのでしょうか。