40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

ファスティング(断食)初級編-04-「偽りの栄養学」を盲目的に導入した明治政府

長い江戸300年の鎖国から目覚めた日本の明治政府は、遅れをとった欧米列強に追いつこうと必死になりました。富国強兵という国家目標を定め、欧米の栄養学をドイツ医学とともに取り入れました。

 

そして導入されたのが、ドイツの栄養学者・カール・フォン・フォイト(1831~1908年)の近代栄養学でした。彼はミュンヘン大学の教授であり、また栄養学においては当代一流の権威を持つ人物でしたが、とんでもない食わせものでした。

 

彼はドイツ人に向けてこのような布告を出したのです。「平均体重64kgのドイツ人は一日当たりタンパク質118g、脂肪56g、糖質500g、およそ3000kcalを摂ることが望ましい」といい、肉を絶賛し、奨励しました。

 

これを受けて明治政府はまったく盲目的に導入しました。当時の日本人は、ドイツ人と比べればかなり小柄で、平均体重が52kg程度でしたから、これを比例配分して「タンパク質96g、脂肪45g、糖質415g、2450kcal」を日本人の栄養所要量と定めました。これは当時の日本人の食生活「タンパク質56g、脂肪6g、糖質394g、1850kcal」をかなり大幅に超える目標数値でした。

 

日本人は江戸時代まで、「低タンパク・低脂質・高糖質」ですこぶる健康的だったのですが、明治政府は、ドイツ人並みの「高タンパク・高脂質・低糖質・動物食中心」の食事に改めるよう指導したのです。

 

その旗を振ったのは森鴎外でした。この時から、日本は「カロリー・栄養素計算偏重主義」、西洋の栄養学一辺倒の現実離れした健康政策が始まったのです。

 

フォイトの近代栄養学理論は日本とは気候も風土も人の体質もまったく違うドイツにおいて築かれたものです。フォイトが推奨した「高タンパク・高脂質・低糖質・動物食中心の食事」とは、当時のドイツの食生活でしたが、フォイトはドイツ人の食生活こそがもっとも優れた食生活だといっているのです。

 

確かに当時のドイツは医学、理学、栄養学では欧州の中核でしたし、その指導的な役割を果たしていたのが、ミュヘン大学であり、その中心にフォイトがいました。

 

そしてフォイトは、肉こそ最高の食べ物として、近代栄養学を確立しました。そして肉を2.5倍食べる運動を起こしましたが、一説によれば、欧州の強大な食肉市場の誘導、そして18世紀後半から19世紀の中頃にかけてのヨーロッパは国民国家の形成期にあったことが考えられます。

 

人々の民族意識を高揚し、国家に収束させるには、自国民がどれだけ他国に比べ優っているかを示すことが有効でした。フォイトの提唱した食物摂取量の根拠は、ミュンヘンを中心に中流家庭の平均的な食事から算出したものとも言われています。

 

つまりフォイトがつくった「近代栄養学」とは、国民の健康のためにどんな食生活が良いかを考えたものではなく、その当時のドイツの食生活こそがもっとも優れていたことを示すためのプロパガンダ=「偽りの栄養学」というわけです。

 

この近代栄養学を絶対視して、盲目的に導入した明治政府には驚くべき悲劇が待っていました。

 

藤樹の宿」では、今もアメリカの食糧戦略に支配されているところから、脱出させる使命があると固く信じています。明治政府の悲劇は、高度成長とともにまたもや日本を襲っています。早く目覚めてほしいものです。

また、ファスティング(断食)の効果は、いちどやってみれば分かります。