40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

健康リスクマネジメント 235  空腹は最大の力なり 11 内臓脂肪の正体とは 01 やっかいな白色脂肪細胞  

先に述べたような動脈硬化だけではありません。

さらに厄介なのは「内臓脂肪」なのです。

もちろん糖質や脂質は脳、筋肉、内臓が動くエネルギー源であり、細胞源なのです。

問題は使い切れずに余ったものはいずれ使用すべきものとして

筋肉と肝臓に蓄えられるのですが、

問題は、筋肉、肝臓の貯蓄倉庫には限界があるということです。

すると体はこの倉庫に入りきれなかったものは、

やっかいな方法で変えてしまうのです。それが中性脂肪という脂肪細胞になってしまいます。

この厄介な脂肪細胞の正体とは何かです。

脂肪脂肪を語るうえで、欠かせないのが白色脂肪細胞です。

白色脂肪細胞は、食事によって過剰となり

血液中に流れている中性脂肪などの脂質や糖(合成されて中性脂肪になる)を取り込み、

エネルギーとして蓄えていきます。

脂肪を蓄えた白色脂肪細胞は、球体に膨らみ、見た目はイクラのようになります。

体の中の脂肪とは、白色脂肪細胞という細胞に蓄えられた中性脂肪なのです。

白色脂肪細胞は、全身に広く分布しています。

その数は思春期にかけてぐっと増えていき、

20歳前後の成人では約400億個となるといわれています。

また、白色脂肪細胞が脂肪を蓄えると、通常は直径が80µmほどの大きさになりますが、

エネルギーが過剰になると、

白色脂肪細胞が脂肪をどんどん取り込んで直径140µm近くまで肥大化し、

最大、1µgの脂肪が入るといわれています。

少し前まで白色脂肪細胞は、乳幼児期や思春期など限られた時期にしか増加せず、

その時期に生涯の数が決定すると考えられていました。

ところが近年の研究によって、思春期を過ぎても、

存在する白色脂肪細胞が脂肪でいっぱいになると、

細胞の数を増やしてさらに脂肪を取り込むのです。

そして肥満者の白色脂肪細胞は、約800億にもなるといわれています。

白色脂肪細胞は脂肪を蓄えるだけではなく、エネルギーが必要になったときに、

自らの脂肪を分解し遊離脂肪酸とグリセロールという形で全身に供給します。

そのとき、白色脂肪細胞が死んでしまうかというとそうではありません。

脂肪を放出した白色脂肪細胞は、小さくなって前駆細胞という、

いわば細胞の赤ちゃんの状態に戻ります。

そして、再度エネルギーが余った状態になると、すぐに大人の細胞になり、

脂肪を取り込んでいくのです。

ちなみに最近、白色脂肪細胞の寿命は約10年であることがわかりました。

細胞の中でも長生きする細胞だといえるでしょう。

この白色脂肪細胞は、ヒトだけに存在するものではありません。

地球上のほとんどの生物が脂肪をエネルギーとして使っています。

つまりは、白色脂肪細胞で貪欲に脂肪をため込むことができるシステムをもつ生物が、

厳しい生存競争を勝ち抜いてきたのです。

白色脂肪細胞が、人類、生物の歴史をつくってきたといっても過言ではないでしょう。

白色脂肪細胞は、生命活動のためのエネルギー貯蔵と

供給の役割を果たしているだけではありません。

白色脂肪細胞によって蓄えられた脂肪は、

体温維持のための断熱作用や内臓の位置を保つ機能をもっています。

実際、痩せている人は胃下垂が多いのです。

白色脂肪細胞は非常にアクティブで、さまざまな因子を作り出し、

全身にいろいろな影響を及ぼしているようです。

白色脂肪細胞だけではなく、その前駆細胞や脂肪細胞から分泌される因子、

免疫系の細胞、他から入ってくる因子などで構成される脂肪組織というチームによって、

さまざまな働きをしているのです。