40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

健康リスクマネジメント 191  食べる投資 12 ビタミンD  

ビタミンDについて近年研究が進み、健康に対するより様々な効用があることが明らかになっています。2017年、WHO(世界保健機関)が発表した世界のうつ病患者さんは、全人口の4.4%に当たる3億2200万人。55~74歳の発症率が最も高く、2005年から18.4%も増加しているとしています。うつ病の大きな問題は、若年層の発症率が上昇傾向で、世界の自死者78万8000人のうち、うつ病が引き金と見られるものはその1.5%に当たります。なかでも15~29歳の若年層の死因の2番目が自死という現状。これは、うつ病が解決されなければならない世界的な重大課題であることを物語っています。実は、ビタミンDにはうつ病を改善する作用があることもわかってきました。うつ病は、脳内の神経伝達物質の不活性化がもたらす疾患ですが、ビタミンDの受容体が脳内でも前頭前皮質や海馬、視床視床下部などの部位に多く発現しているのが確認されています。その結果、ビタミンDが脳を酸化ストレスから保護する一方、ドーパミンノルアドレナリンといった神経伝達物質の働きを改善させる働きがあることが明らかになったのです。まず、免疫力の向上やアレルギー症状を改善する作用です。ビタミンDには細菌やウイルスを殺す「カテリジン」というタンパク(抗菌ペプチド)を作らせる働きがあります。また「β-ディフェンシン」という抗菌ペプチドを皮膚上に作らせ、バリア機能を高めていることもわかっています。ビタミンDは食べ物から摂る以外に紫外線を浴びることで体内に合成されますので、紫外線が減少する冬場はビタミンDが減少し抗菌ペプチドも減少。風邪やインフルエンザにかかったりアトピー性皮膚炎が悪化しやすくなるのはそのためでもあるようです。さらに冬場に多い問題は花粉症です。近年、花粉症の発症要因のひとつに腸の関与が指摘されています。リーキーガット症候群といって、腸の粘膜細胞間の結合が緩んで隙間が大きくなるため未消化で分子が大きいままのタンパク質や糖、さらには口から入った花粉などが腸壁から漏れ出てやすやすと体内に侵入するため過剰なアレルギー反応を惹き起こすのです。ビタミンDはこの緩んだ腸粘膜の結合状態を改善し、適切な免疫抗体の産生を促すことで花粉症を根本的に改善してくれます。また最近ビタミンDが心や神経のバランスを整える脳内物質セロトニンを調節することがわかり、うつなどのメンタル症状に効果的であることがわかってきました。例えば北欧諸国は自殺率が比較的高いとされていますが、日照時間の短さからくるビタミンD合成不足が一因ではないかとされています。日本でも「冬季うつ」といって日照時間の短い冬に抑うつ症状の患者が増加します。美白を気にして紫外線を極力避けている女性の方は多いですがせめて1日15分程度は日光を浴びるようにしたいものです。「ビタミンD不足は世界的問題である」とアメリ国立衛生研究所(NIH)は指摘していますが、なかでも日本人のビタミンD濃度は極めて低いため厚生労働省は2018年12月ビタミンD摂取基準値の引き上げを発表しました。ビタミンDはカルシウムや骨の代謝に欠かせない栄養素として知られています。

ビタミンDが摂れる食材としては

①きくらげや干しシイタケなどのキノコ類

②内臓ごと食べられる魚類、ししゃもやしらす干しなどのほか、鮭も推奨されます。

ビタミンDと健康に関する研究はさらに進んでおり、

発達障害統合失調症認知症との関係

子宮筋腫や月経困難症、不妊症との関係

・糖尿病や心血管系への影響

・大腸癌や前立腺癌、乳癌の予後

・血中ビタミンD低値群では、死亡率が1.26倍上昇

など極めて多岐に渡る分野で報告が集まり、ビタミンDは大変注目されている栄養素となってきました。