773・少食ファスティングの基礎 玄米菜食 116 玄米食で病を癒す 37 精神系の病気を改善する玄米食 05 うつ病とは 01
うつ病は、一言で説明するのはたいへん難しい病気ですが、
脳のエネルギーが欠乏した状態であり、それによって
憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、
さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。
つまり、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態と考えることもできます。
私たちには自然治癒力という素晴らしい機能が備わっていて、
通常はさまざまな不具合を回復へ導いてくれます。
私たちは日常生活の中で、時折憂うつな気分を味わいます。
不快な出来事によって食欲が落ちることもあります。
しかし、脳のエネルギーが欠乏していなければ、自然治癒力によって、時間の経過とともに元気になるのが通常です。
時間の経過とともに改善しない、あるいは悪化する場合には生活への支障が大きくなり、
「病気」としてとらえることになります。
そのため、仕事・家事・勉強など本来の社会的機能がうまく働かなくなり、
また人との交際や趣味など日常生活全般にも支障を来すようになります。
うつ病を分類する場合に、
①症状の現れ方による分類、
②重症度のよる分類、
③初発か再発かによる分類、
④特徴的な病型による分類など、
さまざまな分類の仕方があります。以下に簡潔に説明します。
ちなみに、新型うつ病や現代型うつ病といったものは、専門家の用いる診断基準には存在せず、
そのため定義もありません。
症状の現れ方による分類
うつ状態と躁状態の両方が起こるものを「双極性うつ病」と呼びます。
② 重症度による分類
症状による仕事や日常生活に現れる支障の程度による分類です。
「軽症」は、仕事や日常生活、他人とのコミュニケーションに生じる障害はわずかで、
周囲の人はあまり気がつかないことも多いレベルです。
一方「重症」は、仕事や日常生活、他人とのコミュニケーションが明らかに困難なレベルです。
「中等症」は、「軽症」と「重症」の間に位置します。
③ 初発か再発かによる分類
「単一性」か「反復性」かという分類です。「反復性」の場合は、
特に再発防止に対する対応が重要になってきます。
「メランコリー型」、「非定型」、「季節型」、「産後」などがあります。
「メランコリー型」は、典型的なうつ病と言われることの多いタイプです。
さまざまな仕事や責務、役割に過剰に適応しているうちに脳のエネルギーが
枯渇してしまうような経過をたどるものを指しています。
特徴としては、良いことがあっても一切気分が晴れない、
明らかな食欲不振や体重減少、気分の落ち込みは決まって朝がいちばん悪い、早朝
(通常の2時間以上前)に目が覚める、
過度な罪悪感、などがあります。それに対し「非定型」ですが、
特徴としては、良いことに対しては気分がよくなる、
食欲は過食傾向で体重増加、過眠、ひどい倦怠感、他人からの批判に過敏、などがあります。
「季節型」は「反復性」の一種で、特定の季節にうつ病を発症し季節の移り変わりとともに回復がみられます。
どの季節でも起こりうるのですが、冬季うつ病が有名で日照時間との関係が言われています。
「産後」のうつ病は、産後4週以内にうつ病を発症するものです。
ホルモンの変化、分娩の疲労、子育てに対する不安、授乳などによる睡眠不足など、
不健康要因が重なることが影響していると考えられています。