健康リスクマネジメント 88 病気の方程式 79 人類の敵 11 感染症 06 新型コロナウイルスとは何か 02 新型コロナウイルス症状など
コロナウイルスは、ヒトを含めた哺乳類、鳥類などに広く存在するウイルスです。
(ウイルス表面の脂質性の膜)上にコロナ(王冠)のような
たんぱく質の突起を持っていることが挙げられます。
これを名前の由来とする1本鎖のRNAウイルスです。
ウイルスにはエンベロープを持つものと持たないものがありますが、
コロナウイルスを含めエンベロープを持つウイルスはアルコールで失活する、
変異を起こしやすいという特徴があります。
コロナウイルスは、一般的な風邪をひき起こすウイルスでもありますが、
上記のように変異を起こしたり、動物界のウイルスがヒトに感染したりして
重大な被害を与えることがあります。
2002年に中国広東省から発生したSARS、2012年に中東地域を中心に発生したMERSなど
もコロナウイルスの一種です。
症状
新型コロナウイルス感染症は、発熱(37.5℃以上)、喉の痛み、
咳、痰などの風邪のような症状で終わる場合が多いとされていますが、
なかには4日以上の経過後に高熱、胸部不快感、呼吸困難などが出現し、
肺炎へ進展する事例もあります。
これらの重症化は高齢者や基礎疾患
(心血管疾患、糖尿病、悪性腫瘍、慢性呼吸器疾患など)を有する方で
多く見られる一方、小児や若年層のなかには、
感染してもほとんど症状が現れない無症状病原体保有者が存在することも判明しました。
中国の国営メディア“新華社通信”の報告によれば、
下痢や吐き気などの消化器症状、頭痛、全身倦怠感といった
一見肺炎とは関係ないような症状が現れることも多いとのことです。
このため、診断の遅れにつながり、感染を拡大する可能性もあるとして
注意喚起がなされています。
また、日本国内では新型コロナウイルス感染による髄膜炎を発症したケースも報告されています。
さらに、新型コロナウイルスは鼻の奥に存在する“嗅上皮”と呼ばれる粘膜に
何らかの異常を引き起こす可能性も指摘されており、
嗅覚や味覚の異常が生じるケースもあることが分かっています。
検査・診断
遺伝子検査(PCR法)に加えて、
3月6日から一部医療機関での保険診療による検査が行われるようになりました。
いずれも、症状や感染している方との接触歴などから
“肺炎”の発症が疑われる場合に限り実施可能となっています。
現在は、簡便で迅速に結果が判明する検査法の開発が進められており、
臨床で利用されることが期待されています。
中国では血液中のウイルスに対する抗体の有無を判定する
“イムノクロマト法”による迅速検査キットが承認されており、
このキットを開発した会社と提携を結ぶ大阪市の繊維メーカーが
3月16日から検査キットの輸入・販売を開始しています。
検査キットでは特別な機械を要さずに
15分で判定が可能かつ95%の精度を持つとされており、
今後の活用が期待されています。
そのほか、肺炎の重症度を評価する目的で、
経皮的な酸素飽和度の測定や、胸部X線検査、胸部CT検査などが行われます。
レントゲン写真では分かりにくい病変が、
CT検査では分かりやすいなどの特徴も判明しています。
そのほか、肺炎の重症度を評価する目的で、経皮的な酸素飽和度の測定や、
胸部X線検査、胸部CT検査などが行われます。
レントゲン写真では分かりにくい病変が、
CT検査では分かりやすいなどの特徴も判明しています。