クリスチャンドクター・日野原重明の生き方、死に方 02 なぜ男性は早く死ぬのか
先回も書きましたようにまず最後の著作を紹介しつつコメントをしていきます。
「最後まであるがまま行く」をベースにします。
さて日本では、100歳以上は、約7万人です。
その内訳は、2018年度中に百歳になる人が「32,241人」で、
昨年度よりも144人増加しています。
また、住民基本台帳を基にした「100歳以上の高齢者数」は「69,785人」で、
前年よりも2,014人増えています。
100歳歳以上の高齢者のうち、「男性」は8,331人、「女性」は61,454人で、
女性が88.1%を占めています。
なお、2017年9月の時点では、
男性の最高齢者は113歳、女性の最高齢者は115歳となっています。
100歳以上は急激に増えています。
老人福祉法が制定された1963年には、100歳以上の人口は全国でわずか153人でした。
1981年に千人を超え、1998年に1万人を超えました。
その後は勢いを増して、2012年に5万人を超えています。
高齢者に占める女性の割合は、1963年には「86.9%」でしたが、
1984年には「77.8%」まで下がりました。
その後は再び増加して、ここ数年は過去最高を更新し続けています。
また、厚労省によると、国内最高齢は福岡市の田中カ子(かね)さんが115歳。
男性の最高齢は北海道足寄町の野中正造さんで113歳。
人口10万人あたりで最も多い都道府県は島根県の101.02人で6年連続トップ。
最も少ないのは29年連続で埼玉県(32.90人)です。
厚労省高齢者支援課は「人生100年の超高齢化時代を迎えており、
健やかに生活を送れる健康寿命を延ばすことが今後の課題だ」と話しています。
このように100歳以上を生きることはどのような生き方なのか、
真剣に考える時代に突入しているのです。
統計で明確なのは、100歳以上を占めるのは女性が圧倒していることです。
88%、ほぼ9割です。
では男性はなぜそれまでに死んでしまうのでしょうか。
これは「世界一孤独な日本のオジサン」(岡本純子著)に
その要因が詳しく書かれています。
それは日本の高齢化とともに男性は、世界一孤独なのです。
日本はメタボ対策、ガン予防の検診などに力を入れていますが、
この万病の元になる「孤独」
特に男性の孤独は女性の10倍以上のリスクを抱えていることです。
特に中高年では最悪です。
これまでの男性は、会社人間ばかりで会社関係のつきあいはあっても
退職してしまえばそれまで、孤独の淵に追いやられます。
ましてや妻の先立たれたり、離婚を言い渡されたら、ただ茫然として、
愕然と崩れ落ちて生きがいが喪失するのです。
そして待つのは自殺のみということで日本の中高年段男性の自殺がトップなのです。
日本でこれだけ多いのは男性が高齢になれば幸福度が下がっていくのです。
これは欧米と真逆なのです。
最近、多いのが高齢男性の引きこもりと自殺です。
社会的孤独は確実に死に追いやります。
さらに中高年男性の最大の脅威は、喫煙でも肥満でもありません。
慢性的な孤独の伝染病なのです。