断食施設運営 裏話 06 カウンセリングしない断食指導は間違い
断食施設の多くが酵素ジュース断食を推進している問題も深刻ですが、断食指導、とくに導入の方法と断食後の食生活指導はほとんどなされていないという問題があります。
私が関わった断食施設では、宿泊料が安いからだったでしょうが、来会者も多く、断食をして帰られた方のケアーは、まったくできていませんでした。
また女性も多かったので結婚、育児などその後の状況を把握しておらず、ほとんど1年後からは消息不明の状態でした。
もちろん結婚後、時間的な余裕ができて来られる方もありますが、ごく少数でした。
まず人数が多かったこともありますが、把握するような体制ができていなかったのです。
そして健康セミナーはしていましたが、来会される方の一人一人に合せた断食プログラムは一切、組んでいませんでした。
健康セミナーより大事なのは、断食プログラムをいっしょに組むためのカウンセリングがどうしても必要だったのです。
私はその必要性を十分、認識していましたので、実施するプログラムまで組んでいましたが、それはまた全く違う理由から、導入は不可能でした。
そこで私は、2年前から、ほんとうに少数の来会者を受け入れるコンパクトな、断食宿泊施設を探し始めました。
そしてなるべく交通の便がよく、自然環境に優れたところを条件に探しましたところ、偶然なのですが、日本一の琵琶湖が目に入りました。
琵琶湖周辺にそのような施設があるのではないかという直感で、周辺を探し始めたのです。
琵琶湖はマザーレイク、母なる大地ではなく、母なる湖といわれ、日本では最大の湖で、眺めているだけでも癒される不思議な湖でしたので、湖になるべく近いところにある古民家を探し始めました。
それはちょうど昨年の6月の始めでした。彦根、米原、長浜の古民家、約100件の物件を見てまわりましたが、ようやく今まで想定外だった琵琶湖の西側、高島市に私の考える理想の物件が見つかりました。
2階建の古民家で2階が県道に面しており、洋服店の店舗と奥が住居で、1回が純和風の日本間が4部屋。そして子どもさんの洋間が2部屋ありました。
2階はセミナーをするのに最適で、1階は体験民宿に最適でした。
また、1階の子ども部屋だった部屋は、カウンセリングルームに使用できますし、前庭は、和風庭園、後庭は、ハーブ園と野菜をつくれるスペースがあります。
ただ、驚いたのは汲み取り式トイレと台所、お風呂の水が地下に流し放題で、下水が敷地に引いてあるのに接続されていなかったことです。
これではマザーレイクに申し訳ないし、断食される方もトイレの臭いが鼻につくということで1ケ月かけてリフォームしました。
こうして6月中旬から、受け入れ体制が整い、これまでできなかったファスティング・カウンセリング、そして世界で初の「発酵薬膳ファスティング」の施設をオープンすることができました。