断食指導30年のあゆみ 41 本物の断食とは何か 23 ファスティングの本質とは内側の浄化
今日、病気の80%の原因は食べ過ぎが原因であることが常識となっていますので、
ファスティングが注目されています。
日本でもダイエット目的のファスティングが圧倒的に多いのですが、
それ以上にファスティングの本質とは内側の浄化なのです。
つまり体内から消化負担(エネルギー)を軽減させ、
取り除くファスティングも大切なことですが、
自分の内側、自分の内なる心(マインド)、魂(ソルト)と
霊(スピリチュアル)の解放を経験することが本質なのです。
心(マインド)、魂(ソルト)と霊(スピリチュアル)に縛られた
まさに暗闇の混沌からの解放がファスティングの本質であり、
真の開放をもたらすことなのです。
このファスティングの本質を正しく用いて、体系を組み立て、
いったのが修道院でした。
そこから更に発展し、病気の治癒として、
ファスティングは大いに欧州において重要なので
修道院の中核的なワークとなっていきます。
そして修道院から発展して、近代にいたっては、
ファスティングの療養所が誕生していきます。
英語では、病院を「ホスピタル」と言いますが、
このホスピタルの語源は中世ラテン語の「ホスピターレ」であり、
ホテルと同一語源です。
ホスピターレとは「巡礼、参拝者、旅人をもてなす大きな家」であり、
その役割は修道院が担っていたのです。
キリスト者の巡礼の宿泊所であり、
旅の途中で受けた傷や病をホスピターレで修道士たちが手当てをし、治して、
心身共にリフレッシュし、また新しい旅に出ることができました。
つまりリスト教世界では修道女・修道士が神に仕えるために
病人を集めて日常生活上の世話をするのが基本だったのです。
このことが医療と看護活動の原点となっています。
ファスティングやハーブを用いた医療活動でしたが、
宗教活動から病院が切り離されるようになりました。
そして18世紀以降、病院は貧民救済から離れて、
もっぱら病気やけがの治療のためだけに使われるようになり、
専門化していきました。
19世紀のフローレンス・ナイチンゲールは
看護にも職業的訓練が必要なことを明らかにし、
看護師が専門職となっていきます。
日本で最初の病院は、1557年に医師でもあった
ポルトガルの宣教師ルイス・デ・アルメイダによって、
現在の大分県大分市顕徳町2丁目にあったデウス堂の隣地に開設された病院です。
外科、内科、ハンセン病科を備え、日本初の入院施設も備えていました。
ここが西洋医学が初めて導入された場所として知られています。
病気の治癒として断食は大いに欧州で修道院の中核的なワークとなっていきます。
近代ではドイツのオットー・ブーヒンガー博士が、
温泉地近くの医師であったため、
第一次世界大戦後に最も効果のある断食療法を実践しました。
彼は断食を「排出治療、身体組織、体液全体を完全に浄化する治療だ」と
確信して難病に立ち向かったといいます。
確かに断食を開始すると老廃物が取り除かれ、癒される病気があるのです。
老化した細胞が分解され、その一方で若い細胞の形成が促進されるからです。
ゆえに断食は特にリューマチ、関節炎、動脈硬化症、皮膚病などに効くのです。
しかし、修道院の断食はこれだけではありません。
オットー・ブーヒンガー博士は、聖アタナシウスの断食を継承したのです。