エシカルとは何か 01 エシカル消費 01 エシカルコンシューマリズム
プレジデントで山本謙治さんの書かれた「エシカルフード」(角川新書)
の要約が出ていたので、さっそくAmazonでこの新書を購入しました。
そして「エシカル」をサイト検索すると、
すでに「一般社団法人エシカル推進協議会」も発足していることや
愛知県がエシカルを推進していることが出てきます。
しかし、エシカル・ファスティングというワードは全く出て来ません。
これは日本のファスティングの大半が
いかに自己目的だけのファスティングが支配しているかを
物語るものであることを知らなければなりせん。
さて「エシカル」は大辞典で引くと
「倫理的。道徳上の。また、環境や社会に配慮したさま。
「エシカルコンシューマリズム(=環境や社会に配慮した商品を選択する消費活動)」
とありますが、欧米ではエシカル消費がかなり普及しています。
中でもエシカル消費について、
日本大百科全書(ニッポニカ)は下記のような説明をしています。
・・・地球環境や社会貢献などに配慮したモノやサービスを積極的に消費する行動。
自分の欲求だけによる消費ではないため、「倫理的な」という意味の英語の
形容詞エシカルをつけたことばである。
国の消費者基本計画はエシカル消費を「地域の活性化や雇用なども含む、
人や社会・環境に配慮して消費者が自ら考える賢い消費行動」とし、
消費者庁は「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、
そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」と定義している。
自然保護や省資源に役だてようとする「エコ消費」、
健康で持続的な社会を目ざす生活スタイル「ロハス」、
開発途上国から搾取することなく、商品を適正価格で購入する「フェアトレード」、
社会的弱者の支援につながる「チャリティー消費」、
地域活性化の一助となる「地産地消」などを包括するマーケット用語である。
環境や人権に配慮しない企業の商品を排除(ボイコット)するという
回避行動もエシカル消費に含まれる。
また、エコバッグを持って買い物に出掛ける行動も、
広義のエシカル消費の一つとされる。
1990年代後半にイギリスで発達した概念で、
イギリスのNPO(民間非営利組織)団体のECRAは、
世界の著名企業を環境保護や社会的貢献度に基づいて、
エシカル消費の度合いをランク付けしている。
日本では2007年(平成19)、輸入ミネラルウォーター販売会社が
寄付するキャンペーンを展開したことで、エシカル消費の概念が広まった。
2011年の東日本大震災後、ボランティア活動を組み込んだ旅行商品や、
「これからの時代に必要」とする回答が2016年の29.3%から2020年には
51.8%に上昇した。
環境や人権保護に積極的な企業に投資するファンドをエシカルファンドとよぶ。
イギリスの2021年のエシカル消費の市場規模(エシカルファンドを含む)は
19兆円に達したと推定され、環境保護や社会貢献機運の高まりで、
世界のエシカル消費市場は拡大しているとされる。
しかし、倫理性の概念は個人、地域、国、宗教などによって異なるため、
エシカル消費の定義はあいまいで、
価値観の押し付けにつながりかねないとの指摘もある。
[矢野 武 2022年5月20日]