ほんとうに怖い人工甘味料 21 異性化糖 03 アメリカを支配するコーン 02 映画「キング・コーン」の物語 01
映画「キング・コーン」の物語のあらすじです。
この映画を観た「やまけんの出張食い倒れ日記」というブログです。
この方は、農産物流通業者だそうです。
大学生の二人が、食べものについて調べたいと思う。
DNAの検査をしたところ、身体の大半がコーンに由来する食物から
出来ているらしいという結果が出たのに驚き、
彼らはコーンを巡る旅を始める。
アイオワ州のコーン畑を1エーカー借り受け、地域の人達に教えてもらいながら
コーンを生産する。
そして、その収穫物がどのように食物に変容しているか、
を探る旅に出るというも。面白かったのは、上記したように、
ある検査機器を使うと、自分の身体を構成する分子レベルで、
何に由来する食べ物からできているかということがわかるというシーンだった。
現代日本人は何によって出来ているんだろうか。
米・麦・大豆・コーンの穀物のうち、どれが最も多いのか。
アメリカで生産されているのは、我々が夏に美味しく食べている
スイートコーンではない。デントコーンという、飼料用の品種である。
実は世界で最も作付けされているのがこのデント種で、ほぼ食用にはならない。
エタノール燃料になるのもこれ。
つまり、普通に暮らしているとスイートコーンこそがトウモロコシだと
思っている人が多いだろうけど、スイートコーンは世界中で生産されている
トウモロコシの数%に過ぎないのだ。
日本人は知らないうちに大量のコーンを食べている。
「え?私はそんなにトウモロコシを買わないよ」という貴方。
鶏肉・豚肉・牛肉・卵・牛乳は食べませんか? 食べる?
それならば貴方は間接的にコーンを摂取していることになるのです。
つまり、日本での畜産の餌は、半分以上がデントコーンでできているのである。
黒毛和牛の場合、肥育段階で4トン程度の飼料を食べるが、
そのうち2トンはデントコーンである。通常、畜産を行う場合は、
その国で最も安価に生産できる穀物を与えて育てるものだ。
アメリカではコーン、ヨーロッパでは麦など、オーストラリアでは草。
しかし日本だけは、終戦後のアメリカの嗜好コントロールによって、
米国産コーンをたっぷり食べさせた肉が好きになってしまった。
むろんアメリカのせいだけではなくて、生産コストを安くしろという様々な声から、
安く買えた輸入飼料を使う方向へとシフトさせられたのだ。
いまや、牛乳を搾るホルスタインであっても、高カロリーなコーンを
食べないと生乳をたくさん出せないようにチューニングされてしまっている。
しかし、エタノール燃料などの関係でコーンが値上がりし、
飼料価格は高くなってしまった。
いまは落ち着きつつあるとはいえ、世界の穀物在庫量は依然として減少傾向にある。
本来的には、日本は米国産コーンに頼るべきではないのである。
「でも、国産の飼料はコストが高くなるから、難しい」と言う声が多数だ。
もともと肉や卵、牛乳といった畜産物は、高くて当たり前なものではなかっただろうか。
終戦直後の日本で卵はとても貴重なタンパク源だったはずだ。
だいいち、今は肉や油の摂りすぎで成人病罹患率が高くなっている世の中だ。
畜産物が高くなれば、自然にみな摂取率が下がるから、
国民の健康にもいい。佳いことずくめだと思うけど。
話題を映画に戻すが、この映画が米国で創られたと言うことが実に興味深い。
僕の学生時代からの盟友である、
愛媛大学の野崎がいうには、
「今、アメリカでも食に関する新しいドキュメンタリーの潮流が産まれつつある。
若い世代は、アジテーションではなく、
ファッショナブルは受け入れやすい形でのテーゼを行っている」という。