ほんとうに怖い人工甘味料 15 スクラロース 01 新しい人工甘味料として急成長
1976年にイギリスでテイト&ライル社 と
ロンドン大学クイーンエリザベス・カレッジの共同研究で開発されたものです。
スクラロースはショ糖(スクロース、砂糖)の約600倍の甘味を持つ甘味料なのです。
高甘味度の甘味料として知られるサッカリンやステビアは苦味や渋味がありますが、
スクラロースにはそれがほとんど無く、後甘味で後引きがあり、
ショ糖に似たまろやかな甘味があるといいます。
他の糖類や高甘味度の甘味料と併用すると
甘味度、甘味質とも増強する傾向があり、
しばしば他の甘味料との併用で清涼飲料水やアイスクリームなどに使用されています。
また甘さを付与する以外の目的では、
酢カドを取り除く酢なれ、塩のシャープな味(塩カド)を和らげる塩なれ、
豆乳などの豆臭の緩和、エタノールの刺激を緩和する作用などがあり、
微量添加することにより
辛み・乳感・ボディ感(コク・深み)の増強効果があるのです。
スクラロースは分子あたり3つの塩素原子を含む有機塩素化合物であり、
ダイオキシンやDDT、PCBsとの類似性から危険性を指摘する論もあるのですが、
それら有害な有機塩素化合物とは異なり、ヒドロキシ基を多く持つため、
親水性で素早く排出され、炭素-炭素二重結合を持たず、
多量に投与しても神経毒性や脂肪への蓄積を示さず、
体内で塩素を遊離することもなく、消化管ではほとんど吸収されず、
ヒト、イヌ、ラットなどの研究ではわずかに抱合されるのみで、
1991年にカナダで食品への使用が初めて認可されました。
その後、米国食品医薬品局(FDA)や欧州食品安全機関(EFSA)を始めとする
各国の規制当局や、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)でも
スクラロースの安全性が確認され、使用が認められています。
日本では1999年7月30日に食品添加物に指定され、
使用基準および成分規格が定められたのですが、
スクラロース単品は食品加工会社や製薬会社などの企業向けに出荷されるのみで、
一般向けには直接市販されていません。
海外サプリメントメーカーのMyproteinが一般向けに販売しており
ネット通販などで比較的容易に入手可能です。
アメリカ合衆国ではスプレンダ (Splenda) の商標で販売されており、
コカコーラやペプシからスプレンダを使用したコーラが販売されています。
日本でも、コーラや缶コーヒーなどでアスパルテームや
アセスルファムカリウムと併用したものや、
単独で使用した商品(シュガー・カットなど)が販売されています。
日本国内ではアイスクリーム、ガム、ドレッシングなど
11000品目以上の食品に使用されていますので
お菓子、甘味成分の大半に使用されています。
問題はスクラロースがショ糖(注・01)と同じように誤解されていますが、
これは間違いです。まったく別物なのです。
スクラロースがショ糖(注・01)
サッカロースsaccharose,スクロースsucroseともいう。
サトウキビ,サトウダイコン(テンサイ)などの多くの植物によって合成される
ショ糖を主体とする工業的製品を総称して砂糖と呼ぶ。
ショ糖および砂糖という言葉は混同して使われることが多いが,
化学物質として扱う場合はつねにショ糖の名称が用いられる。
ショ糖は光合成能力のあるすべての植物体に見いだされ,
人類には甘味料としてひじょうに古くから用いられていた歴史をもつ。