健康リスクマネジメント 107 病気を予防する 01 肥満 01 スーパーサイズミー 01 ファストフードの象徴マクドナルド・ハンバーガー
『スーパーサイズ・ミー』というアメリカ合衆国のドキュメンタリー映画が
2004年に公開され、全米興業収益のトップ10になり、
ドキュメンタリー映画としては成功した作品です。
作品の概要ですが、ウィキでは次のように紹介されています。
・・・俳優で監督のモーガン・スパーロック自身が、
「1日に3食・30日間、マクドナルドのファストフードだけを食べ続けたらどうなるか?」
を映像で記録したものである。
この間、健康のための運動は行わず、彼の身におこる身体的・精神的な影響について記録している。
さらに、スパーロックはファストフード業界の社会的な影響を調査し、
この業界が利益のために栄養を犠牲にしていることを明らかにした。
スパーロックは当時
33歳、身長188cm、体重84kg、体脂肪率11%、体格指数23.7(正常値はアメリカでは19〜25である)
という健康体であった。30日間で、彼の身体には以下のような変化が起こった。
1・体重は11kg増加
2・体脂肪率は18%に上昇
3・体格指数( BMI )は27に上昇(アメリカ基準では「標準以上」)
4・躁うつを発症
5・脂肪肝を発症
6・性欲減退
スパーロックの実験の動機は、
アメリカ公衆衛生局の医務総監も「蔓延している」と発言するほどに、
アメリカ合衆国においては肥満が増加しており、
これに呼応する形でマクドナルド社に対して起こされた訴訟にあった。
マクドナルドの製品を食べて肥満になったある2人の少女が起こし、
その主張は「自分たちが太った原因はマクドナルドの製品を食べ過ぎたから」
というものであった。
この訴訟は、「因果関係が認められない」として裁判所に却下され、
マクドナルド側の勝利に終わるものの、
スパーロックはタバコ会社に対するのと同様の非難が、
ファストフード業界にも当てはまるのではないかと指摘した。
2004年5月7日に本作が公開されると、全米興業収益のトップ10に2週間載るなど、
ドキュメンタリー映画としてはかなりの成功を収め、
アカデミー賞の優秀ドキュメンタリー映画部門にもノミネートされた。
パンフレットには「企業批判のメッセージのために作られたものではない」
と書かれており、監督自身も
「この食文化への警鐘。貧困家庭はファストフードに頼りがち。
マクドナルドを選んだのは彼らが一番大きいから」としている。
来日した際、ドキュメンタリー映画監督の森達也は、
「アメリカンライフ(価値観)を他者に押し付けるアメリカを風刺している。
アメリカの実存そのものへの批判、メタファーが隠されていると受け取った」と語ると、スパーロックはそれを肯定した。
【解説】
アメリカはこのようなプロテスト運動を生み出す土壌を持っている
マクドナルドへの抵抗運動であったと解釈すべきでしょう。
日本ではこの映画は鳴かず飛ばずであったのは、
アメリカ崇拝のなにものでもありません。