健康リスクマネジメント 96 病気の方程式 87 身近な感染症 07 内なる脅威ウイルス 05 コロナ禍はいつ収まるのか、山中教授が出した答え 01
ノーベル賞受賞の京都大山中伸弥教授が日経バイオテクの取材で答えた内容です。
4月7日ですが、その後、緊急事態宣は全国に発令されました。
期間はGW終了後の5月6日までですが延長の可能性は高いと思われます。
ではいつまでこのコロナ禍が続くかです。
その回答が山中教授のインタビューにあります。
安倍晋三首相は2020年4月7日、
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため緊急事態宣言を発令しました。
対象地域は東京を含む7都府県(神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)で、
期間は4月8日から5月6日までの約1カ月です。
1カ月という期間を長いと感じるか短いと思うか、捉え方は人それぞれでしょう。
確実に言えるのは、このウイルスは人間の都合など全くお構いなしだということ。
暖かくなれば感染拡大のペースが落ちるのではないかという、
当初の楽観論も最近は聞かれなくなりました。
では、新型コロナの影響は一体いつまで続くのでしょうか。
1年は続く可能性のある長いマラソンです」──
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥教授・所長は自ら立ち上げたサイトで、
こう指摘しました。
ランナーでもある山中教授が「マラソン」という言葉を使った真意を、
私なりにデータを基に考えてみました。
世界の感染データを検証すれば、今後の趨勢がある程度予測できるからです。
現感染者数が世界で最も多いのは米国の28万9798人でした。
死亡率は2.4%と世界平均(5.4%)より3ポイント低いものの、
治癒率が4.8%にとどまっているのはまさに今、感染が爆発的に増えている証拠でしょう。
Trump大統領は3月31日、厳しい行動制限などの対策を打ったとしても
米国内の死亡者数が最終的に10万から24万人になるとの見通しを発表しました。
米国に次いで現感染者数が多いのはヨーロッパ諸国です。
2週間ほど前から感染が爆発的に広まったイタリアとスペインが8万人台、
その下にドイツとフランスが6万人台で並びます。
これらの国はまだまだ予断を許しませんが、
治癒率が10%から20%台の後半になっている点が米国と大きく異なります。
医療体制が整ってくれば、現感染者数も少しずつ減っていくはずです。
「現感染者数」では既に日本と中国が逆転
私が注目したのは中国のデータです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生国であり、
累計の感染者数は8万人を大きく超えているにもかかわらず、
現感染者数は2116人にとどまります。
この数は日本の現感染者数(2548人)よりも少なくなっているほどです。
「中国の統計データは信用できない」と考える人は少なくありません。
気持ちは分かりますが、国際的に見れば日本の検査数が少ないことも否めない事実です。
そもそも国民全員を対象にPCR検査をすることは物理的にも経済的にも不可能であり、
検査品質を世界で統一することもできません。
結局、各国政府が公表しているデータを「正しい」と信じるしかないのです。