40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

サムライ・ファスティングに生きるとは 「代表的日本人」に書かれた武士道精神02 内村鑑三はなぜこの本を書いたのか 02

内村鑑三が「代表的日本人」を出版される40年前に

アメリカの思想家エマソンが「代表的人間像」を出版しており、

内村はこの著作に刺激を受けて書いたと言われています。

内村はこの書かれた頃を回想した記録があります。

 

・・・ちょうどその頃(代表的日本人を書いていた頃のこと)であった。

米国の学校で同級生の米国人(クリスチャン)が京都私の家を訪ねてきた。

彼は私に「今、君は何をしているのかね」。

私は「著述活動をしている」と答えると「君は何を翻訳しているのかね」

と問いかけたので、「私は自分の思想を書いているのだ」と言った。

それに対して彼は「ほんとうに(インディート)」と叫んだ。

まことに米国人は、日本のキリスト者に対する態度は、かくのごときものであって、

それは欧米の宣教師すべてに共通していた。

欧米の宣教師に一切、頼らずして日本人自身の信仰的実験、

その思想を語ることは大胆な企てだったのである」

(「キリスト信徒の慰め」の再版で回顧30年と題した序文から)・・・

 

これは内村が日本人の思想で語ることなどあり得ないと思っていた

アメリカ人宣教師たちの高慢を打ち砕いたのが、

「キリスト信徒の慰め」であり、同じ時期に書いたのが、

「代表的日本人」だったわけです。

この内村と同じことを新渡戸稲造も「武士道」を書く大きな要因も

欧米の宣教師たちのこの高慢な日本人にキリスト教を教えてやろうとした姿勢が、

日本にキリスト教が広がらなかった最大要因だと語っています。

内村の宣教師嫌いはそのようなところがあり、

内村のサムライ精神が力強くみなぎってきた頃の著作が「代表的日本人」なのです。

エマソンの著述に刺激を受け、

日本にも代表的な人物がいたことを世界に示したわけです。

内村が宣教師の伝えたキリスト教会の形成を嫌い、

無教会を形成したのはそのような日本人を見下す姿勢に否を放ったわけです。

しかし、根底に武士道精神こそ

日本に最もキリストの福音を広げる根源的な力であると内村は感じていたのです。

それは新渡戸も同じでした。

ですから内村の「代表的日本人」と新渡戸の「武士道」は見事な一致があります。

日本人の中に脈々と流れる武士道精神は、

キリストの福音を受けるにふさわしい旧約聖書的な土壌を

形成しているという見方です。

これを具体的な形で表現したのが、無教会でした。

しかし、その武士道としての無教会精神は

あまりにも欧米のキリスト教会が連綿として継承してきたものを

いとも簡単に切り捨ててしまったことは残念でなりません。

洗礼、聖餐、教会形成の真理を切り捨てたことは致命的な欠陥なのです。

これから無教会の歴史がそれを証明していくことになるでしょう。

同じく武士道精神をあまりにも強調すると

日本も極端な軍国への道に行く可能性は大いにあります。

ゆえに「代表的日本人」は内村の非戦論とオーバーラップして

受け止めていく必要があるのです。