断食救人類の書 258 少食は救国、救人類となる 44 生命への畏敬 01
「生命の畏敬」を唱えたアルベルト・シュバイツァーは、
アフリカの赤道直下の国ガボン・ランバレネにおいて、
住民への医療などに生涯を捧げたことで知られる人物であり、
「生命への畏敬」への哲学などでも著名です。
マザー・テレサやマハトマ・ガンディーと並び、
20世紀の生んだ3人のヒューマニストとして知られています。
1952年、その活動が評価されノーベル平和賞を受賞しています。
シュバイツァーが唱えた生命への畏敬とは、
「人間をはじめとして生命をもつあらゆる存在を敬い、大切にすることを意味する。生命あるものすべてには、生きようとする意志が見出される。
この生きようとする意志は、自己を完全に実現しようとする意志である」として、
シュヴァイツァーはこの事実から出発し、
「すべての人が自己の生きようとする意志を大切にすると同時に、
自分と生きようとしている他の生命をも尊重しなければならない」と考えました。
それは自己と他者、および生命あるものとの共存をめざす考え方であり、
アフリカでの医療活動はまさにその実践だったのです。
シュヴァイツァーはフランスの実存主義の哲学者サルトルの親戚(サルトルの母といとこ同士)で、
その影響を受けて、哲学的な思想でも知られています。
ヨーロッパの古き良き人文主義の伝統を引き継ぎながら、
20世紀の人類社会が直面する問題を解決するための思想を編み出していきました。
特に1957年後より核への反対を公言し、
バートランド・ラッセル、ノーマン・カズンズらと核反対運動にも参加し、
1962年には、アメリカ合衆国大統領であったジョン・F・ケネディに手紙を出し、
その中で、「子どもたちへの放射線の遺伝的影響という問題に関心をもってほしい」
と依願しています。
シュヴァイツアーは、人生世界肯定的でなおかつ倫理的な思想が必要だと考え、
編み出した哲学的な概念が「生命への畏敬」でした。
すべての人間はその中に生命の意志をもっているのであり、
自分の内外にあるそれを尊重する思想でその裏付けされた聖書の思想、
哲学としての「生命への畏敬」を謙虚に学ぶと
今日、いかに「生命への畏敬」があらゆるところで軽視されているかが分かります。
この思想に立つ国であれば、
世界でまれに見る大量の食品添加物をぶち込んだ食品の製造、販売などありえません。
この日本は、残念ながら、
一生の間に国民一人当たり7トンの食品添加物を使用されています。
いかに日本国が「生命への畏敬」を軽視しているか一目瞭然です。