断食救人類の書 10 飽食の日本 08 鈍重肝臓 01
甲田光雄医師が命名された「鈍重肝臓」ですが、これは58年間にわたり数万人に断食療法をされて来られた中から、
生み出された病名です。どのようなタイプの人なのか、甲田光雄医師の言葉を紹介します。
現代医学の治療を長年受けて来たし、東洋医学の鍼、灸や漢方でも一向に治らず、
途方に暮れて、私の医院に来られる方の共通点があります。
それは書物を読んでも頭に入らず、記憶力も悪く、何をしても疲れる。
それゆえに仕事もはかどらない。いつもイライラするし、怒りっぽくなるし、何でも悲観的になる。
そして夕食は人一倍食べるし、食後はうたた寝。ゲップやガスが多く出るが、朝の便は出ない。
要するに胃腸の処理能力を超えて、毎日、食べ続けているために宿便が滞り、
胃腸の蠕動運動が鈍り、肝臓もフル回転で疲労困憊となります。
すると肝臓の疲れから、体温調整が上手く機能せず、暑がり)一番、寒がり一番となってしまいます。
しかも外見はどっしりと立派な体格の方が多く、どこが悪いのかと思うぐらい。
しかし、当の本人は、今の自分はどこか狂っている、
どこか悪いに決まっていると不吉な予感に日々、襲われ怯えているという状態。
このような症状を「鈍重肝臓」だということで、日本人の半数が該当すると思います。
そして決まってこの「鈍重肝臓」の方は、どこか体が悪いかもしれないと病院で検査を受けますが、
異常は認められないと言われるわけです。
しかし、食い下がる「鈍重肝臓」の患者さんにはそのような名をつける医師はいませんから、
また、疲れがひどいといえばビタミン剤、腹がはるからといえば、消化剤、下剤をもらいます。
そして最後に医師は「バランスのとれた栄養あるものをしっかり食べて、薬も飲みましょう。
お大事に」となるわけです。
しかし、病状は好転せず、また別の病院に行き、
転々として東洋医学や民間療法などを試みるという具合で日々を過ごすというパターンです。
この場合、検査数値は正常値であるため、分からないのですが、断食をすると分かってくるのです。
現代医学の盲点です。
このような半病人が実に多いのです。
この原因は、本来の自然な生活から逸脱した人間が罹る「宿病」です。
まず、有害食品、環境汚染、精神的ストレスが相互に作用して現れるのが「鈍重肝臓」です。
これは日本人の大半が、「鈍重肝臓」になるような生活を日々、続けているのではないでしょうか。
子どもたちから大人までストレスを抱え、食生活は無茶苦茶で「鈍重肝臓」になる条件がすべて出揃っています。