断食救人類の書 09 飽食の日本 07 脂肪肝
先の肝臓の所で慢性肝炎について、甲田光雄医師の体験と到達した結論を紹介しましたが、
続いて若者に広がる「脂肪肝」と甲田光雄医師が命名された「鈍重肝臓」を紹介していきましょう
(「あなたの少食が世界を救う」から)。
まず脂肪肝とは、英語で「fatty liver」といい、
肝臓内に中性脂肪が異常に多量沈着する状態です。
肝細胞の半数以上に脂肪空胞が認められると脂肪肝といい,
肝機能低下状態で脂肪の多い食事をとり,蛋白質を少ししか食べないことなどが原因。
肥満,アルコールのとり過ぎ,糖尿病,薬の中毒なども原因。
その原因を取除けば,多くは比較的短期間で正常に戻ります。
(慢性肝炎との鑑別が大切。慢ブリタニカ国際大百科事典)
甲田光雄医師が指摘しておられるのですが、毎日、消費エネルギーを超過して食べ過ぎるため、
余剰のエネルギーをすべて脂肪として蓄える人体の生理作用で皮下組織や腹腔などに
脂肪が増えて来るので、それが肝臓に及び、脂肪肝となります。
しかし、自覚症状がなく、検査数値にも出ないこともあり、見過ごされ、少し太ってきたかな
という程度で、相も変わらず飽食、アルコール依存、運動不足など気ままな生活を続け、
そして誰が見ても肥満という状態になってしまうと典型的な脂肪肝になります。
ただ識別が難しく、入院して安静を強いられることで改善されないことが多かったようです。
しかし、甲田医院では、脂肪肝の患者さんには玄米菜食で少食をされた方は
日増しに良くなっていったようです。
そのケースを甲田光雄医師は次のように報告されておられます。
中学3年の女生徒ですが、身長160㎝、体重88㎏で典型的な脂肪肝。
学校には通っていても教科書も読めず、終日、顔を伏せて眠っている状態。
食事内容も1日6回の食事にスナック菓子、ケーキを食事ごとに食べ、
あげくに寝る前の夜10時にラーメン。
そこに大の甘党で饅頭やチョコレートを食べるという有様なので、
当然、脂肪肝になったという娘さんです。
そしてついに甲田医院に入院して、断食を2回、玄米菜食の食養生したおかげで体重は
18㎏減量し、元気になって学校も勉強に意欲が出てまったく元気になったというケースです。
このケースで分かったのは、意外に多い子供たちの脂肪肝で学力が低下し、
周囲からは勉強を強いられ、かなり強いストレスに陥っていることが多いのではないか。
また学級崩壊の要因にこうした子供たちの増加もあるのではないかと危惧すると
甲田光雄医師は報告しておられます。
これは脂肪肝を治療する以前の問題で、根本的に食生活を見直さないとだめだということです。