正しい食養生とは何か 43 穀物菜食 05 玄米効用 03 食物繊維 01
玄米の特質は食物繊維です。
では食物繊維を解説しましょう。
便秘対策のイメージがある食物繊維。
ほかにも、食物繊維をきちんととれているかどうかは、
女性に多い病気(高血圧、糖尿病、骨粗鬆症など)などの予防に
関係があるとされています。
そんな食物繊維の具体的な働きやとり方について解説します。
食物繊維とは人の消化酵素では消化することができない成分で、
日ごろ私たちが口にする食べ物のなかに含まれています。
水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類があり、
これらをまとめて食物繊維と呼んでいます。
「食物繊維といえば便秘対策」。
そんなイメージをお持ちの方も多いですが、実は、食物繊維の働きは、
それだけではありません。
便秘対策はもちろん、心筋梗塞のリスク低下や血中コレステロール値の低下など
生活習慣病の予防効果を食物繊維はもたらしてくれる、
ありがたい存在なんです。
5大栄養素といえば、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・無機質。
私たち人間の生命活動を維持するために必要不可欠な栄養素です。
食物繊維は整腸作用など身体のなかで有用な働きをすることから、
それら5大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」とも言われいます。
1・整腸作用
食物繊維の働きはいくつかあり、便通を整えて便秘を防ぐ整腸作用。
腸内環境を整え、便秘改善に役立ちます。
また、とりすぎることにより肥満や脂質異常症(高脂血症)・糖尿病・高血圧など
を引き起こす原因となる脂質・糖・ナトリウムなどの吸収を緩やかにしたり、
これらの物質を吸着して、身体の外に排出してくれる働きもあります。
そのため、食物繊維は生活習慣病の予防・改善にも
効果が期待できるといわれています。
たんぱく質・脂質・炭水化物などの栄養素は、
消化管のなかで消化酵素によって分解・消化され、
小腸から体内に吸収されていきます。
それに比べ、 食物繊維は消化・吸収されずに小腸を通って大腸まで達するのが特徴。
便の体積を増やし、大腸を刺激して腸の動きを活発化することで
排便を促す働きがあります。また、食べ物が胃や小腸を通って大腸まで到達すると、
食べ物に含まれる食物繊維が大腸に住む腸内細菌のエサとなり、
善玉菌を増やして腸内環境を好ましい状態に保ってくれます。
腸内環境が好ましい状態になれば、排便が促進され、便秘改善が期待できます。
2・血糖値上昇を抑える
他の栄養素の吸収を妨げたり、吸収速度を遅らせたりする働きがある
種類の食物繊維もあります。
食物繊維をとると糖の吸収速度を緩やかにすることができ、
血糖値の上昇速度を抑え、食後の高血糖を防ぐことができます。
「食後の血糖値上昇が気になる方に」「糖の吸収を穏やかにする」と
記載された特定保健用食品(トクホ)は関与成分として
食物繊維の一種を使用したものです。