食物酵素とは何か 04 酵素ブームに火をつけた鶴見、新谷医師
では人体の酵素生成能力は加齢にともなって低下していきます。
そして生命を維持するだけの酵素レベルがつくられなくなり、
人間は寿命を終えます。人体の酵素生成能力という遺産は、
生まれた時から限度が決まっているようです。
そこで食物酵素の観点から、生の食物を多く食べれば、
この遺産を先に見送ることができて、人間は長生きできるということになります。
生の食物で食物酵素を十分に摂れば、
その分だけ体は事前の消化酵素の製造量を抑制でき、
酵素生成という遺産を少しだけ使用するので済むのです。
しかし、逆に食物酵素を摂らずに事前の消化酵素だけで消化をまかなっていたら、
しかし、これでは食物酵素という収入がないのに、
遺産だけ食い潰していくのです。
遺産の酵素銀行の預金残高が増加していきますので無駄にはならないでしょう。
これまで生の食物で治療されている医師は多いのですが、
有名なのはM・ゲルソン博士(注・01)です。
食物の70%は生で食べるように勧めて病気治療の基本にしていました。
しかし、現実には食物酵素を生で食べることはそう簡単ではなく、
以上1回から3回目までの大半はハウエル博士の「酵素栄養学」からの引用です。
そしてこのハウエル博士の「酵素栄養学」を日本で実際に医療で使用し、
実績をあげておられる医師は、鶴見クリニック、鶴見隆史(注・02)です。
ノンクリスチャン向けに「愛知断食センター」を立ち上げた頃に
鶴見医師の「酵素」が病気にならない体をつくる! 』(青春出版社)に出会いました。
そして酵素栄養学を始めて知りました。
なぜなら酵素ジュース断食を実践していましたので、
鶴見医師の本は大いに参考になったからです。
しかし、酵素ジュースが2005年から異常なブームになって、
酵素がハウエル博士や鶴見医師とは違う方向に大きく逸れていき、
あれから25年ですが、もう一度、ハウエル博士、
そして鶴見隆史医師の酵素栄養学を根本から学び直すのが、
今回の連載の目的なのです。
また酵素ブームに更に火が着いたのは、ちょうど鶴見医師の本と同じ頃、
新谷弘実医師の「病気にならない生き方」(注・03)で
何と100万部のベストセラーとなったのです。
(注・01)マックス・ゲルソン
(1881年10月18日 - 1959年3月8日)は、ドイツ生まれのアメリカ合衆国の医師。
食事に基づいた代替的がん治療法であるゲルソン療法を開発し、
がんとほとんどの慢性、変性疾患を治癒することができると主張した。
ゲルソンは自身の治療法を片頭痛と結核の治療として利用していた。
1928年、彼はそれをがんの治療に利用し始めた。
ゲルソン療法は、疾患は正体不明の毒素の蓄積によって引き起こされる
という考えに基づいており、
毎時のオーガニックジュースとさまざまなサプリメントとともに、
主に菜食によって患者の治療を試みる。
腫瘍は膵臓の酵素の不足によって発症するという未証明の前提のもと、
動物性タンパク質は食事から除かれている。
加えて、患者はコーヒー、ひまし油、
そして時には過酸化水素やオゾンによる浣腸が行われる。
(ウィキ)
(注・02)
鶴見隆史(つるみ たかふみ、1948年 - )は、日本の医師。石川県出身。
現鶴見クリニック院長。金沢医科大学を卒業後、
浜松医科大学に研修医として勤務する。西洋医学の対症療法的な施術に疑問を抱き、
1990年代後半からアメリカ合衆国の酵素栄養学者(Dr.ママドゥ、Dr.ヒューラー)ら
と交流し、酵素栄養学を修得。帰国後は東京都中央区にて鶴見クリニックを開業し、
「病気治し医療」に取り組んでいる。
(注・03)
新谷 弘実(しんや ひろみ、1935年- )は福岡県出身の医学博士。
米国アルバート・アインシュタイン医科大学外科教授などを務め、
ベス・イスラエル病院名誉外科部長。
著書『病気にならない生き方』がミリオンセラーになった。
新谷弘実は、ミラクル・エンザイムという用語を用いて、
この消耗を避けることで健康になれるとしている。
また胃腸内視鏡で30万人以上の腸内を見てきた結果、
動物性食品をよく食べている人は大腸ガンなどの健康リスクが高まるとし、
これを「腸内の状態(腸相)が悪い」と報告した。
そして、主にこの2つの理由を根拠とした健康法「シンヤビオジマ」を提唱している。