40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

・ホーリースピリチュアル・ファスティング 43 あなたがファスティングする動機を点検してみよう 09 本能自体を変革させること

ファスティングは何のためにするのでしょうか。

藤樹の宿に来られる方で、

ファスティングを体験してみたかったという方が意外に多いのですが、

その漠然とした目的ではなく、ファスティングの本質が分かれば、

ファスティングに魅了されていきます。

私は真のファスティングとは、

ファスティングによるセーブで、

自分自身の中にあるよいものを引き出し、

私たちの本能の中に隠れている力をいつでもこれから自由に使えるように、

本能自体を変革させることではないかと思います。

あなた自身がファスティングという食欲をセーブする禁欲行為そのものが

大きな宝を引き出すことになるのです。

そしてファスティングすることで、次のような特性が身につくのです。

・忠実

・節制

・遠慮

・清さ

・謙遜

これはカトリックの修道会で「福音的勧告」ともいわれて、

修道士たちがファスティングで身につけるべきものとして規定されています。

私たちの中にある欲望をコントロールすることなど不可能と思われるでしょう。

しかし、修道士たちはそれをめざしていくのです。

これを私たちは「何とバカげたことだ」と非難できるでしょうか。

修道士たちがファスティングをしている理由がご理解いただけましたか。

紀元4世紀のパシリウスアントニウスと並ぶ砂漠の修道士であり、

共同体形成をしました。

彼はそこでこのような人間的な戦いをしなければなりませんでした。

それまでばらばらに住んでいた修道士たちが

共同生活をしたとたんに激しいトップ争いが起こったのです。

誰がもっとも厳しい禁欲をしているのかとか、

誰が最上のファスティングをしているのかとか、

そのために苦痛を増すために重いくさりを巻くものもいたのです。

また自分をほんとうにムチ打つものまでいたのです。

つまりファスティングという木の実に悪魔がいたのです。

そこでパシリウスはいいました。

 

「虚栄のためにファスティングをすることは、何の実りももたらさない。

ただその人への称賛でおわるだけだ」と。

 

シリウスは何度もこの修道士たちに繰り返し語ったそうです。

そしてとうとう共同体の全員が守るべきファスティング規定を作成しました。

その冒頭に「確かに良いことであっても、

他の人よりも多くを望むのは競争欲であり、

虚栄心を求める欲望から生まれるのは激情であるだけだ」と。

そして愚かなファスティング競争を止めさせたそうです。

修道士たちも様々な方がいますのが、全く罪を犯さないものはいないのですが、

しかし、修道士たちは、自分の理想通りに生きる一方で、

厳しい修行で心が乱れないようにし、

しかも自分の苦行(=断食)の奴隷になることもないのです。

ファスティングはそれ自体を目的としていないからです。

シリウスの文を読むとファスティングに対して

特に日本では根本的に誤っているのがお分かりになりますか。