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健康リスクマネジメント 265  ウイルスに勝つには免疫力だ  10 日本で重症化率・死亡率が低い理由 02 インフルエンザウイルスの違い

「新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ」

東洋経済 02(記事は2020.07.17付です)

 

――ではその辺りの説明と、作成された新型コロナの「感染7段階モデル」の狙いを教えてください。

 

新型コロナは、全国民の関心事ながら「木を見て森を見ず」の状態で

全体像が見えてこない。

そこで、ファクト(事実)を基に、

全体像が見通せ、かつ数値化できるモデルを作ろうと思った。

それが「感染7段階モデル」だ。新型コロナの感染ステージを

Stage0からStage6までの7段階に分けて、

それぞれに至る確率やそれに関わる要因を見える化したものだ。

 

新型コロナウイルスは、初期から中盤までは、暴露力(体内に入り込む力)は強いが、

伝染力と毒性は弱く、

かかっても多くの場合は無症状か風邪の症状程度で終わるおとなしいウイルスである。

しかし、1万~2.5万人に1人程度という非常に低い確率ではあるが、

サイトカイン・ストームや血栓形成という状況を引き起こし、

肺を中心に多臓器の重篤な障害により、高齢者を中心に罹患者を死に至らせてしまう。

このウイルスの性質の特徴は、自身が繁殖するために人体に発見されないように

毒性が弱くなっていることだ。

したがって、一定量増殖しないと人体の側に対抗するための抗体ができない。

そしてまれに宿主となる人体の免疫を狂わせ殺してしまうこともある。

 日本も含めた各国でそれぞれ数十万人死亡するというような、

当初流布された予想は大きく外れた。

その原因はインフルエンザをベースとしたモデルを使っているためだと思われる

2つのウイルスには大きな違いがある。

 

 

――新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの違いをご説明ください。

 

病原体が体内に入ると、まず貪食細胞(マクロファージ)などを中心とする

自然免疫が働く。次に数日かかって獲得免疫が動き出し、抗体ができる。

 (注)自然免疫: 侵入してきた病原体を感知し排除しようとする生体の仕組み。外敵への攻撃能力はあまり高くないが、常時体内を巡回している警察官に相当する。

 

獲得免疫:病原体を他のものと区別して見分け、それを記憶することで

、同じ病原体に出会ったときに効果的に排除する仕組み。

1種類の外敵にしか対応しないが殺傷能力の高い抗体というミサイルで

敵を殲滅する軍隊に相当する。

インフルエンザの場合は、ウイルス自体の毒性が強く、

すぐに、鼻汁、咳、筋肉痛、熱と明らかな症状が出る。

暴れまくるので、生体(人の体)はすぐに抗体、いわば軍隊の発動を命令し、

発症後2日~1週間で獲得免疫が立ち上がり、抗体ができてくる。

よって、抗体検査を行えば、ほぼ全ケースで「陽性」となる。

多くのケースにおいて生体側が獲得免疫で抑え込み、

1週間~10日の短期で治癒する。

だが、抑え込みに失敗すると肺炎が広がり、死に至ることもある。

新型コロナはどうか。

今年5月6日のJAMA Published online(The Journal of the American Medical Association、

アメリカ医師会雑誌』)に発表された「新型コロナの診断テストの解釈」という論文に、

新型コロナは抗体の発動が非常に遅いことが報告された。

 私の研究チームはこの現象を、新型コロナは毒性が弱いため、

生体が抗体を出すほどの外敵ではなく

自然免疫での処理で十分と判断しているのではないかと解釈し、

「なかなか獲得免疫が動き出さないが、

その間に自然免疫が新型コロナを処理してしまい、治ってしまうことが多い」

という仮説を立てた。

こうした仮説で想定した状態が実際に存在するなら、

この時期の人は無症状または風邪のような症状であり、

自身が新型コロナに感染したという自覚がないうちに治ってしまう。

もしこの時期にPCR検査を行えれば、

新型コロナは体にいるのでPCR陽性となることもある。

一方、まだ抗体はできていないので、抗体検査を行えば当然「陰性」となる。

そして、その後、症状が進んで獲得免疫が発動しても

新型コロナを抑え込めなかったごく一部の人で

サイトカイン・ストームが起きてしまい、死に至ることもある。

 

(注)サイトカイン・ストーム:免疫システムの暴走。免疫細胞の制御ができなくなり、正常な細胞まで免疫が攻撃して死に至ることもある。