健康リスクマネジメント 117 病気を予防する 12 予防医学の基本 01 飽食の時代と疾病の変化
予防医学について易しい解説をしているのが、「山田養蜂場の予防医学概念」です。
難しい医学論文ではなく、素人が読んで納得できる内容なので紹介します。
1・飽食の時代と疾病の変化
みなさんも、よくご存知のとおり、現在日本は世界トップレベルの長寿国となりました。
しかし、今、単に長生きするだけでなく、健康に長寿を全うするという考え方が広がっています。
この背景には、平均寿命が延びても、心臓病や脳梗塞、また骨折などで寝たきりになったり、
認知症などで、自立して健やかな生活を送ることが困難な高齢者が増加している状況があり、
このことに対する問題意識が高まっていることが挙げられます。
内閣府の調査においても、介護保険制度で「要介護者」と認定された 65 歳以上の人数は、
2008 年度末で 452.4 万人に昇り、2001 年度末から 164.7 万人増加していると報告されています。
日本のこの状況は、戦後の食文化をはじめとする生活の多様化による
疾病構造の変化も少なからず影響していると考えられます。
我が国の疾病統計によると、1900年代前半から戦後まもない頃までは、
日本人の死因は「結核」、「肺炎」、「胃腸炎」が上位 3 位を占め、
急性感染症への対策が国の急務でした。
そこで、国民皆保険に加えて種々の法律が制定され、
感染の拡大防止から治療までの積極的な取り組みとして、
上下水道の整備、栄養管理、予防接種、抗菌薬をはじめとする治療の進歩により、
多くの感染症から人々の命を守ることが可能となりました。
その後、我が国は高度成長期を経ていわゆる「飽食の時代」を迎え、
便利で食べ物に困らない世の中になりました。
その一方で、少子高齢化などの社会構造、化学物質などによる環境汚染、
また、食べ過ぎ・飲み過ぎ・偏食、運動不足、睡眠不足などの生活習慣の乱れ、
さらには子どもにまで及ぶストレスや慢性疲労の増大など、
生活環境や生活習慣の著しい変化が私たちの健康を蝕むようになっています。
【解説】
予防医学と検索すると大半が健康診断の普及や拡大のことばかりですが、
さすが山田養蜂場が運営する予防医学の働きは、基本を押さえています。
私たちの「藤樹の宿」では繰り返し、病気の大半は「食」にあり、
食習慣を変えなければ病気は治らないことを伝えています。
食習慣の改善こそ、予防医学の要なのです。