健康リスクマネジメント 64 病気の方程式 55 心拍数と心臓病 03
8・頻脈(高心拍数)の原因とリスク
健診を受けたうちの心拍数の多い人たちを調べてみると、
高心拍数と高コレステロール、高血糖、高血圧、肥満、多血 (赤血球数が多いこと)、
高中性脂肪、低HDL(善玉)コレステロー ルなどと強い関係があることがわかりました。
高血圧患者の約3割 が心拍数80/分以上といわれています。
実にメタボリック症候群が多いのです。
これらは動脈硬化や心 臓病の危険因子であり対策が必要です。
これからの健康管理には、血圧と同様に、あるいはそれ以上に心 拍数に注目し、
その背景を適切にコントロールすることが重要といえます。
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<不整脈の種類と注意する症状>
1・頻脈(脈拍が速くなる)
しばしば血圧の低下を招き、速いものほど危険。
脈拍数の増加に伴って動悸が起こり、激しくなるとめまい、
冷や汗、吐き気などを伴い、ときには意識を失うことがあります。
2・徐脈(脈拍が遅くなる)
極端に遅くなると、脳貧血を起こし、 ぼーっとなります。
体を動かすことがつらくなり、動くと息切れを起こす。
5秒以上心臓が止まると意識が薄れていく。
3・期外収縮(タイミングがずれる)
いわゆる「脈がとぶ」を伴う。
正常な刺激は洞結節から出るが、
期外収縮は別のところから正常な タイミングより早く出ます。
心房から出るものを心房期外収縮と呼ぶ。胸部に不快感、
違 和感を感じることがあります。
胸痛を伴う場合は、狭心症や心筋梗塞が 原因となっている可能性があります。
4・心房細動
心房が細かく、不規則にふるえ、脈がでたらめになります。
心房内で血液がよどみ血のかたまりができやすくなります。
これが脳や 手足など全身に運ばれて血管が詰まり、
脳であれば脳梗塞をおこします。
5・心室細動
心室内のあちこちで電気的興奮が発生し、血液を全身 に送り出すポンプの役割をする心室が正しく作動しないため、血液 の拍出が〝ゼロ〟すなわち心停止の状態となります。放置すれば即刻死 に至ります。
(心拍数と心臓病・生活習慣病シリーズ17を参照)