40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

サムライ・ファスティングに生きるとは 「代表的日本人」に書かれた武士道精神27 二宮尊徳・農民聖者 05 徳川末期の悲惨な状態

内村は尊徳登場までのことを次のように書いています。

 

・・・19世紀の初め、日本の農業は実に悲惨な状態だった。

泰平の世が200年も長く続いたため、あらゆる階層の人々が贅沢と浪費をおぼえ、

怠惰になった影響はすぐに耕地に表れた。

全国各地で耕地からあがる収入は三分の二も減った。

かつては実り豊かであった耕地はアザミや草藪でおおわれ、

わずかに残った工作できる耕地で

農地全体に課せられた年貢を差し出さ出さなければならなくなった。

どの村もひどく荒れ果てた姿になった。

まじめに働く気がなくなった人々は、身を持ち崩した。

優しい大地から豊かな恵みを求めようとしなくなり、

破滅につながる生活を続けるために、本来は必要でないものを得ようと、

互いにごまかし合い、騙し合うようになった。

諸悪の根源は道徳(の貧困)にあり、

みさげはてた息子たちに報いる気をなくした自然は、

あらゆる災いを土地に及ぼした。

そのとこ、自然の法と精神を同じくする一人の男が生まれた。

 

・・・内村のこのように尊徳誕生の時代背景を書いていますが、

それは徳川時代末期で、

いかにこの時代が徳川の鎖国が疲弊していたかを正確にとらえています。

この時代と今日の日本は同じような疲弊に陥っている気がしてなりません。

日本は戦後74年間、高度経済成長政策で所得倍増を叫んだ池田首相のように

経済成長だけにひたすら歩んできました。

この国策は1988年の狂気的なバブル経済を生み出し、

その後、バブル崩壊の後始末の大失敗から迷走して今日に至り、

とくに日本の基幹産業であった家電、通信分野は疾走状態でGAFA

こてんぱてんにやられています。

このために第二の尊徳登場を求められています。

しかし、尊徳のような人物は存在していないのです。

尊徳の教えは報徳思想で、

日本に伝わった儒教、仏教、神道から編み出されていますが、

内村は3番バッターとして尊徳を登場させた理由は、

サムライ精神、武士道精神の中核である自分の願望を自己実現するのではなく、

求められたことを、私を捨ててことにあたる覚悟をもって行うこと。

そこに自分の思いをはるかに超えた力が臨むことを知っていた

尊徳の生き様をクローズアップさせたのです。

このことは西郷隆盛上杉鷹山も同じなのです。

こうして内村は「代表的日本人」を通して、

武士道の覚悟の精神を私たちに伝えようとしていることが明確になってきました。

尊徳の人生は16歳の時に父親の死で弟と孤児になり、

尊徳は叔父の家に引き取られて農作業に勤しみますが、

字の読めない人間になりたくないと勉学をしていくようになります。

ここから尊徳の人生は大きく変わります。