40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

武士道が生まれた背景  14 ノーブレス・オブリージュ

新渡戸稲造先生は、英文「武士道」の中で、

 

・・・金銭なく、価格なくしてのみ、なされ得る『高貴な仕事』があるということを、武士道は信じた」・・・

 

と言っています。

お金とは関係のない、値段をつけることができない高貴な仕事というものが、

の世にはあるのだということです。

李登輝は、「武士道解題」で「ノーブレス・オブリージュ」というサブタイトルをつけました。

大辞林ではこのように説明されています。

 

・・・身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、

欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで

「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞いをしなければならぬ」の意。・・・

 

つまり武士道はキリスト教信仰に裏付けされた「ノーブレス・オブリージュ」に生きることにほかなりません。

イエス・キリストの生涯はまさに十字架につくまでの3年間の生き様はまさにそうでした。

これはお金ではかることのできないものです。

お金のためになされたことでもない。

そして、私たちの各自の人生にも、

「金銭なく、価格なくしてのみ、なされ得る

「高貴な仕事」というものがあるということを指示した生涯だったのです。

明治維新を生きた西郷隆盛など維新を担った武士たちは、

このような「高貴な仕事のために人生を捧げた人でした。

そして「後世への最大遺物」を青年たちに教え込んだ内村鑑三

「われ太平洋の橋とならん」と言った新渡戸稲造も、

李登輝も、みな「ノーブレス・オブリージュ」に生きたのです。

それが真の武士道なのです。

西郷隆盛の有名な言葉に、

「金も名誉も命もいらぬという人間は、まことに始末に困る。

しかし、そのような人間でなければ、天下の大事はまかせられない」とあります。

私利私欲を捨てた人間でなければできない仕事がある。

そういう人間でなければ、天下の大事はまかせられないと、西郷隆盛は言っているのです。

また明治維新の基礎を築いた吉田松陰は、

「かくすればかくなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂」と語りました。

この意味するところは、これをすれば損なことになります。

 

破産するかもしれない。死ななければならないかもしれない。

またのけ者にされるかもしれない。

それはわかっているし、知っていてもなお、

人生でこれだけはしなければならないという仕事があるものなのだ。

そしてどうしてもこれだけはやり遂げなければならない。

そういう、やむにやまれぬ大和魂が私の内にあるのだというほとばしる大和魂

 

つまり武士道精神でした。このような武士道をもった吉田松陰30歳で獄死しましたが、

この門下生から、その後の明治維新をになった人材が続々と出ていきました。

金のためでない、私利私欲のためでない、そうしたものでは測れない大切な仕事があるということです。

武士道はそれを教えてくれています。