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亜鉛は成人の体内に約2g含まれます。成人ではそのほとんどは筋肉と骨中に含まれますが、
さまざまな酵素の構成要素となっています。
亜鉛の吸収量は、摂取量や一緒に存在する他の成分により変動しますが、
一般的には、約30%と推定されています。
さまざまな生体内の反応に関与しています。
アミノ酸からのたんぱく質の再合成、DNAの合成にも必要なので、
胎児や乳児の発育や生命維持に非常に重要な役割を果たしているほか、
骨の成長や肝臓、腎臓、インスリンを作るすい臓、精子を作っている睾丸など、
新しい細胞が作られる組織や器官では必須のミネラルです。
また、体の細胞にダメージを与える活性酸素を除去する酵素の構成成分であるほか、
味覚を感じる味蕾細胞や免疫反応にも関与しています。
日本人の食事摂取基準(2015年版)では1日の摂取の推奨量は
18~69歳の男性で10mg、70歳以上の男性で9mg、
18~69歳の女性で8mg、70歳以上男性で7mgとなっています。
平成27年国民健康・栄養調査における食品群別摂取量は8.0mgで、
食品群別に摂取量の内訳をみると、穀類からの摂取量が最も多く、
次いで肉類、魚介類でした。
亜鉛が不足すると、たんぱく質やDNAの合成がうまく行えなくなり、成長障害が起こります。
また、亜鉛は味を感じる味蕾細胞の産生に必須であるため、
亜鉛不足になると味を感じにくくなる味覚障害になる可能性があります。
そのほかに、貧血、食欲不振、皮膚炎、
生殖機能の低下、慢性下痢、脱毛、免疫力低下、低アルブミン血症、
神経感覚障害、認知機能障害などのさまざまな症状が現れます。
植物性食品に多く含まれる食物繊維やフィチン酸(穀類、豆類に多い)などは、
亜鉛の吸収を妨げます。
また、加工食品に多く含まれる食品添加物が、亜鉛の吸収を阻害し、
亜鉛欠乏になる場合もありますので、特定の食品に偏った食事をしないよう注意が必要です。
近年、若い世代での、食生活の乱れによる亜鉛欠乏により、味覚障害を訴える人が増えてきています。
そのほか、アルコールの摂取により、亜鉛の排出量が増加します。
亜鉛は、魚介類、肉類、海藻、野菜、豆類、種実類に多く含まれます。
特にカキ(牡蠣/養殖/水煮)には
100gあたり18.3mgと多く含まれるほか、うなぎの蒲焼100g(1串)には2.7mg、
豚・肝臓生100gあたり6.9mgと魚介類や肉類に亜鉛が多く含まれています。
とにかく亜鉛は生殖機能に大きく関与していますので、
亜鉛欠乏症は不妊となります。亜鉛を定期的に摂取するには主食を玄米にするのが最適です。