少食ファスティングの基礎 玄米菜食 99 玄米食で病を癒す 20 がんを改善する玄米食 20 がんの正体とは 02
「再発と転移」は、患者にとってがんが怖いとされている大きな理由ですが、
この再発を起こすのは「普通のがん細胞とは異なる『がん幹細胞』である可能性が高い」ことがわかってきました。
幹細胞とは自己複製能力と多分化機能を持っている細胞をいいます。
つまりがん幹細胞は「がんを無限につくり出せる細胞」なのです。
がん幹細胞は1997年に白血病患者から発見され、
その後、いくつものがん幹細胞が発見されるようになりました。
がん幹細胞には2つのやっかいな性質があります。
1.必要でないときには休眠状態に入るため抗がん剤が効きにくい。
2.薬物を排出する性質、細胞死を阻害する分子を発現させるなど化学療法、放射線治療などの一般的な治療が効きにくい。
がん幹細胞は「がんの治療抵抗性や転移にかかわっていて、
予後に大きく影響」をあたえることがわかっていますから、これを「標的とする治療が、今後の課題」となります。
「転移」についても遺伝子レベルの研究で明らかになってきたことがあります。
遺伝子がどのような役割を果たしているかの情報も十分に蓄積され、
変異を起こしている遺伝子がわかれば、
どのような機能に異常を生じているか予測できるようになってきています。
転移に関する重要な遺伝子情報は今後ますますみつかると思います。
さらに「転移」についてはこの本に「転移の臓器志向性」に基づく一覧表がのっています。
転移の3分の2は「血流循環のパターン」で説明できるそうです。
遺伝子レベルでがんの治療法が研究されている一方で、やはり大事なのは(気にかかるのは)予防法です。
重要なことは「生活習慣ががんの原因の6割以上を占めている」ということです。
がんのリスクについてこう記されています。
・がんのリスク上げる要因
「確実」と思われるもの:喫煙、飲酒。
「ほぼ確実」なもの:肥満→肝臓がんや大腸がん。食塩・塩蔵品(食品)→胃がん
がんのリスク下げる要因
「ほぼ確実」なもの:運動→大腸がん。食品では野菜と果物(食品)→食道がん
生活習慣について、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持です。
この5つの健康習慣を実践する人は、実践しない人または1つだけ実践する人にくらべ、
男性で43%、女性で37%、がんになるリスクが低くなると推計されました。