少食ファスティングの基礎 玄米菜食 100 玄米食で病を癒す 21 がんを改善する玄米食 21 がんの正体とは 03
現在、「ゲノム解析」によってがんがさらに解明され、また新しい医療がはじまりつつあります。
最近では、がんにかかわる遺伝子のレパートリーは数百ほどで、
そのなかから、臓器や細胞に適したものがいくつか活性化または不活性化されて、がんになると考えられています。
さらにがんの分類の仕方にも変化がおきそうです。
これは臓器中心だったがんに対する見方を大きく変えるでしょう。
現在、がんは臓器と細胞の種類によって分類されていますが、
遺伝子の種類によってがんが分類される時代がもうすぐやってくるかもしれません。
医療でいえば、一例としてマイクロRNA(miRNA)とそれを運ぶエクソソームの研究がとりあげられています。
そして「特定のmiRNAが増えたり減ったりすることで、がんが発生する」ことがつきとめられました。
(miRNAのわかりやすい説明、どのような部位のがんがmiRNA増減と関係しているかが示された図も掲載されています)
これはmiRNAを腫瘍マーカーとして使えれば、新しい強力な診断法になりえるということです。
「細胞障害性抗がん剤」が中心だった抗がん剤も「分子標的治療薬」の登場で
ちなみに開発途上にある分子標的治療薬は数百種類におよぶそうです。
ゲノム医療ははじまったばかりです。
まず患者の腫瘍ゲノムのがん関連遺伝子変異があるかないかを調べて、
それに対応する抗がん剤を選びます。
適正な薬がマッチングした場合に、治療の対象となります。
がんの原因となる遺伝子変異が発見されても、対応する抗がん剤がなかったり、
あっても日本では認可されていない場合も少なくありません。
これに加え、副作用や病状の問題で適応除外になるケースもあるため、
最終的に治療を始められるのは遺伝子検査を受けた患者の15~20%前後と予想されます。
たしかにゲノム医療が一般化するのはこれからの課題でしょう。
直面している問題点も指摘されています。
それは、すべてのがん患者の遺伝子配列を解析するだけの、コンピュータや人的リソースがない、ということです。
スタート時点では、治療の対象となるのは、拠点病院でゲノム治療を希望され、
条件を満たした一部の患者さんに限定されます。
しかし、限定的とはいえ、がんゲノム医療が公的医療保険の対象となることの意義は極めて大きなものがあります。
今後、技術革新が進み、遺伝子解析を安価でできるようになり、
治療効果の高い分子標的治療薬や抗体医療が開発されれば、その対象者は大きく拡大するでしょう。
現在でも国民の2人に1人が一生に一度はがんにかかっているといわれていますが、
さらにがんが高齢になると罹患率が高まる、ということを考えると高齢化社会日本で、
ますます「がんは国民病」と呼ばれるようになるでしょう。