断食救人類の書 27 飽食の日本 25 肥満とがん02 肝臓がん
第2回目は肝がんです。
現在、肝がんは、毎年3万人(男性: 約2万人,女性:約1万人)だといわれています。
成人で800〜1,200 gと体内最大の臓器です。
肝臓の主な役割は、 食事から吸収した栄養分を取り込んで体に必要な成分に変えること や、
また、 脂肪の消化を助ける胆汁もつくります。胆汁は、 胆管を通して消化管に送られます。
肝細胞がんは、 肝臓の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものです。
肝臓は「沈黙の臓器」 と呼ばれ、 炎症やがんがあっても初期には自覚症状がほとんどありません。
たまたま肝細胞がんが発見されることも少なくありません。
肝細胞がんが進行した場合は、腹部のしこり・圧迫感、 痛みなどを訴える人もいます。
肝細胞がんの発生する主な要因は、B型肝炎ウイルスあるいはC型 肝炎ウイルスの持続感染
(長期間、体内にウイルスが留まる感染) です。
肝炎ウイルスが体内に留まることによって、 肝細胞の炎症と再生が長期にわたって繰り返され、
特にC 型慢性肝炎,肝硬変から発症する肝がんは,1991年、約70% を占めていましたが,
その後、この比率が漸減しています。
そして最近の研究では、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が
追加的なリスク要因として注目されています。
NASHは、 過度のアルコール摂取がないにもかかわらず起こる脂肪肝による重 度の炎症であり、
肥満や2型糖尿病にともなって発症することが知 られているのです。
こうした研究から過体重・ 肥満と肝がんの関係が調査されてきました。
ウイルス性肝炎の患者に続き、過体重・ 肥満の人は高い肝がんリスクが
見られるかもしれないと分かってき たのです。
「限られている」と報告されましたが、 最近、肥満・ 過体重による肝がんリスクの増加が
示唆されるとの結論になってき ました。
標準的な体重の人々と比較した場合の相対リスクは、
過体重の人々に関しては1.17倍、肥満の人々に関しては1. 89倍ということです。
そして日本の研究でも相対リスクが高く、
このような研究結果から、 予防は適正体重、標準体重と適切な運動、
そして禁煙、 節度のある飲酒だということです。