40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

ヒルデガルトファスティング 18 現代に生きるヒルデガルト 14 「いのちを得るための書」

ビンゲンから少し離れたザンクト・ゴアルハウゼンには、

ハイネ(注・01)の詩で有名になったローレライ(注・02)の岩山があります。

またライン川沿いには、多くのブドウ園があり、

ドイツのブドウ栽培の中心地であり、同時にブドウ酒の中心地なのです。

また、今も無傷の13世紀のマルクスブルク城があり、

12世紀のブラウバッハには城も教会も存在します。

つまりここはドイツ・ロマン派を醸し出す場でライン川沿い100kmに及ぶのです。

その中央に位置するビンゲンにヒルデガルトは

女子修道院の院長となった1148(または1150)年頃、

このような共同体形成に大きく寄与した2人の聖人伝を書いています。

 

・聖ディーズボード

・聖ガール

 

そして「いのちを得るための書」を書きます。

このような文章が残されています。

 

私が受けた紛れもない幻視の中で、鉄面皮の霊(悪霊)が

いかに私たちに対して戦いをしかけているかを見て、大変、心配しました。

見るところこの悪霊は、私の気高い娘たちを、様々な空しい事柄を通して、

網の中に閉じ込めていました。従って神から教えを受けた私は、

娘たちを教え、集め、聖書の言葉と戒律をしっかり身に着けさせました。

しかし、ある者たちは、私を悪しざまに見、

私から強いられる戒律厳守に耐えられないと言うのです。

けれども神はあらゆる苦しみにあって私を助けていた

他の正しく賢い姉妹たちを通して、私を慰められました。

神がスザンナのために行われ、偽証から救われたようにです。

私を弱めるこの種の苦悩から来る疲労にもかかわらず、

私は神の恵みによって、神から明かされた「いのちを得るための書」を

順調に書き上げることができました。

 

 

ハイネ(注・01)

ハイネは1797年12月13日、デュッセルドルフユダヤ人の家庭にハリー・ハイネ。『歌の本』などの抒情詩を初め、多くの旅行体験をもとにした紀行や文学評論、政治批評を執筆した。1831年からはパリに移住して多数の芸術家と交流を持ち、若き日のマルクスとも親交があり、プロレタリア革命など共産主義思想の着想に多大な影響を与えた。文学史的にはロマン派の流れに属するが、政治的動乱の時代を経験したことから、批評精神に裏打ちされた風刺詩や時事詩も多く発表している。平易な表現によって書かれたハイネの詩は、様々な作曲者から曲がつけられており、今日なお多くの人に親しまれている。

 

ローレライ(注・02)

ローレライという語は、古ドイツ語の "luen" (見る、潜む)と "ley" (岩)に由来している。ドイツのラインラント=プファルツ州ライン川流域の町ザンクト・ゴアールスハウゼン近くにある、水面から130mほど突き出た岩山、あるいはその岩にいるとされる精霊の伝承のことである。伝承を基にしたハインリヒ・ハイネの同名の詩もまた有名である。