ヒルデガルトファスティング 06 現代に生きるヒルデガルト 02 1200年経ても現代に響く声
「現代に響く声・ビンゲンのヒルデガルト-12世紀の預言者修道女」
をベースにこのカテゴリー「ファスティング(断食)とスピリチュアル」
で連載していきます。
この本の序文からです。
この本がフランスで出版された1994年、ヒルデガルトの音楽作品が
ドイツをはじめEUで大変な人気が出たようです。
グレゴリオ聖歌(注・01)の音調ながら
独創性の高い彼女の聖歌が評価されてきたからです。
また1982年には「ヒルデガルト・ド・ビンゲンの幻視録・神の御業の書」が
フランスで発行され、EU全体にも多くの読者を得ていくのです。
12世紀を代表する知的財産であり、当時としては特殊でしたが、
この書は現代に生きて、通じる書だったのです。
当時の医学、医療はユダヤ人の学校だけでした。
そのユダヤ人、マイモ二デス(注・02)によって行われ、
アラビア人もここで学ぶような状態でしたが、
これ以上に注目されたのがヒルデガルトだったのです。
ヒルデガルトが魅せられたのは、「宇宙的神学論」です。
宇宙についての幻視は実に幅広く、そこで見た細密図はルッカ(注・03)の
図書館に収納されています。
今回、ベースにします
「現代に響く声・ビンゲンのヒルデガルト-12世紀の預言者修道女」では、
ドイツ各所のカトリック聖堂で説教している内容が収録されていますので
読んでみると究極のヒーリングメッセージです。
このカテゴリー「ファスティング(断食)とスピリチュアル」にぴったりの
内容なので以後、お楽しみにしてください。
グレゴリオ聖歌(注・01)
ローマ・カトリック教会の典礼のための単旋律による聖歌で、
中世以来今日に至るまで歌われ続けてきた音楽。
その名は、この聖歌を集大成したといわれる教皇グレゴリウス1世(在位590~604)に
ちなんでつけられているが、その成立に関してははっきりしない点が多い。
古代末期から中世初期にかけて、ローマ教会を中心に聖歌が歌われ、
徐々に形が整えられていったことは事実だが、
そのころ歌われていた聖歌の実態はよくわからない。
今日グレゴリオ聖歌の名で知られる聖歌の大部分は、
9世紀から10世紀ころにかけて、アルプスの北のガリア・ゲルマン地域で
成立したのではないかとする説が有力である。
ユダヤ人、マイモ二デス(注・02)
[生]1135.3.10. コルドバ
[没]1204.12.13. カイロ
スペインのコルドバの名家の出身。
1148年,コルドバを征服したムワッヒド朝のユダヤ人弾圧を避け,
エジプトでは宮廷付き医師およびユダヤ居留民の長として活躍。
組織的な徹底を特色としている。
『光明の書』 (68) は,ミシュナの注解書で,
個々の語句の説明に,考古学,神学,科学の知識を用いている。
『ミシュネー・トーラー』 は,ユダヤ法の体系化であり,ヘブライ語で書かれている。
彼の態度はきわめて合理主義的であり,魔術を認めず,
復活に関してもそれを魂の不死として理解する。
哲学面での代表作は『迷える人々のための導き』 (85) で,
科学,哲学,宗教の融合を目指すものであった。
この書はのちにヨーロッパ主要語に翻訳され,各方面に影響を与えた。
ルッカ(注・03)
古代ローマによるイタリア統一の過程の中で
紀元前180年頃にローマの植民都市に、紀元前90年に自治都市となる。
現在も市内にいくつかの美術館や博物館を備え、また文化行事も行われている。
中でも旧グイニージ邸、国立博物館は有名。