ほんとうに怖い人工甘味料 18 ネオテーム
高甘味度の人工甘味料の1つです。
甘味度は、スクロースの7000倍から13,000倍とされています。
なお、類似の構造を持ったアスパルテームと比べても、
ネオテームは約30倍から60倍の甘味を持っています。
ネオテームはアメリカ合衆国のモンサント社によって開発されたものです。
その後、ネオテームの特許は同社傘下の甘味料製造会社である
ニュートラスイート社と共に譲渡され、2002年から
アメリカ合衆国では、2002年に甘味料及び風味増強剤として
一般食品分野への使用がアメリカ食品医薬品局(FDA)によって許可されています。
なお、日本では、2007年12月28日に食品添加物として正式に認可されています。
甘味を持つ甘味料として利用されることがあります。
ネオテームの場合、かすかな甘い後味が長く残ることです。
なお、他の人工甘味料のアセスルファムカリウムやサッカリンと比べると、
苦味の後味が少なく、甘みの発現が遅いという特徴があります。
甘味以外に、食品の持つ風味を引き立たせる風味増強効果や、
苦味などの不快な味を低減させるマスキング効果も持つものです。
日本で承認された主な甘味添加物の甘味度
(スクロースの2%水溶液を基準とした質量比)は次の表の通りです。
甘味料の甘味度(砂糖=1)とした場合
甘味料 甘味度
アスパルテーム 200
アセスルファムカリウム 250
サッカリンナトリウム 400
スクラロース 750
ネオテーム 10,000
(N-[N-(3,3-ジメチルブチル)-L-α-アスパルチル]-L-フェニルアラニン)です。
なお、アスパルテームと同様に分子構造中にフェニルアラニンを有しますが、
ネオテームの代謝物にはフェニルアラニンはほとんど含まれません。
アミノ基に付加された3,3-ジメチルブチルが、消化酵素のペプチダーゼを阻害して、
加水分解されるのを妨げるためです。
このため、アスパルテームとは異なり、
食品添加物として使用する際に
フェニルケトン尿症患者に対する注意喚起として
-フェニルアラニン化合物を含むことの表示は、
日本でもアメリカ合衆国でも義務づけられていません。
メタノールの量は、毒性が問題とされるレベルではないとされています。
ただ健康への害について、
アスパルテーム構造の3・3-ジメチルアルアルデヒド(注・01)が
加えられえていることです。
しかもアメリカ環境保護庁では最も有害な化学物質リストに記載されています。
しかも引火性、刺激性が強く、皮膚、目、呼吸器に刺激を起こす
可能性が高いと懸念されているのです。
これまた安全性が保障されているとはいいがたいものなのです。
3・3-ジメチルアルアルデヒド(注・01)
化学式 (CH3)2NC6H4CHO 。
通常は淡黄色の粒状晶。融点 74℃。
光によって桃色に変る。水にわずかに溶け,アルコールにはよく溶ける。
塩酸に溶け,濃塩酸溶液はウロビリノーゲンの検出試薬として用いられる。
アルコール溶液はアルカリ性で活性メチレンをもつ化合物と反応して呈色し,
インドールやピロール誘導体の検出に用いられる
(いずれもエールリヒ反応と呼ばれることがある) 。