健康リスクマネジメント 252 空腹は最大の力なり 28 増加する認知症を予防する
世界保健機関(WHO)が発表した報告書によれば、
世界の認知症有病数は現在、およそ3,560万人に上ります。
そして、2030年までに2倍の6,570万人、2050年までに3倍の1億1,540万に増えると
予測されているのです。
では、我々の住む日本はどうでしょうか。
65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で、
2012年時点で約462万人に上ることが
厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。
そして、その数が2025年には730万人へ増加し、
65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。
高齢になるにつれ、認知症の割合は増加するとも予想されています。
85歳以上では、55%以上の方が認知症になるともいわれ、今は大丈夫であっても、
将来は適切な判断ができなくなるかもしれません。
認知症とは、様々な原因で脳の細胞が死んでしまったり、
働きが悪くなったりしたためにさまざまな障害が起こり、
生活するうえで支障が出ている状態のことを指します。
認知症を発症すると、目にしたことや聞いたことを思い出せなくなるだけでなく、
日付や季節、自分のいる場所などが把握できなくなり、
また、ものごとを考えたり、判断したりすることも困難になり、
その結果、自ら計画を立てて、段取り良く物事を進めることができなくなって
もの忘れには、病的ではないものと病的なものに分けられます。
前者は、老化により、記憶力が低下することを指しますが、
必ずしも病気ということではありません。
一方、後者は、生活するうえで支障が出ている状態の病気(認知症)のことです。
例えば、もの忘れの場合は、
「誰に電話したのか」というように体験したことの一部を忘れてしまうことですが、
認知症の場合は、「電話した」という体験そのものを忘れてしまうことになります
。しまうと言われています。
一言で認知症といっても、その種類はいくつかに分かれます。
原因は明らかではないものの、
異常なタンパクが脳内に蓄積して神経細胞が壊れていく「変性性認知症」、
感染症などによる「その他の認知症」、あるいは「変性性認知症」と
「血管性認知症」が合併したものもあります。
このような認知症の中でも、最も発症数が多いとされるのが
正常な神経細胞が破壊された結果、発症するものと言われています。
代表的な症状としては、記憶障害に加えて意欲の低下や怒りっぽさがあげられます。
アルツハイマー型認知症に次いで、発症数が多いとされているのが
血管性認知症は、脳の血管が出血したり、詰まったりするなどして、
脳の細胞に酸素が送られなくなった結果、神経細胞が死んでしまうことにより、
発症するものです。代表的な症状としては、
記憶障害や計算力の低下があげられます。
要するに生活習慣病が原因だということになります。
これも青木医師の指摘のように空腹の時間をつくり、
生活習慣病にならないことに尽きます。