健康リスクマネジメント 02 何歳から始めるか 02 厄年のエビデンス・新厄年とは 02
従来の厄年とは、微妙にずれています。
この「新・大厄」である63歳には7疾患の発症率が急上昇するターニングポイントなのです。
ではなぜ、この年齢で病気になる人が増えるのでしょうか。
この年齢の生活パターンや体の変化を追っていくと、
この「新・厄年」で病気になりやすくなる理由が浮かび上がってきます。
ある研究者の分析では、
1・男性はとくに多いのですが、大学を卒業しておカネを自分で稼ぎ、
自由に外食をするようになると太ってくるのが24~25歳。
肥満と病気は密接に関係しているので、その年齢で病気が発生しやすくなります。
経済力が落ちると糖尿病患者も減ると言われていたことがありますが、
まさしくそれを反映しているのです。
経済力がつく年齢では、糖尿病になる人が増加するということになります。
2・最初のポイントは男性では24歳、女性では25歳。
社会人になってからの食生活の乱れが、肥満となり、
糖尿病や高血圧などさまざまな生活習慣病を誘発する原因を作り始めていくのです。
この分析からこの調査、データ分析に携わった
青森県立保健大学健康科学部教授、吉池信男医師はこう指摘しています。
「早い人では20代から動脈硬化は着々と進行しています。
人によっては、24歳、25歳頃から生活習慣病の影が出始める
という認識はしておいたほうがいいでしょう」。
そして男性の37歳の新・厄年。
入社後10年以上が経過して、仕事の幅も広がってくる頃です。
「この歳になると結婚している人も多いでしょうが、
結婚の数年後に体重が増加する人はかなり多い。
子どもがいたとしてもまだ小さくておカネがかからないので、
20代よりも経済的余裕が出てくる。
24歳のときよりさらに肥満のステージが進みやすいのです」。
これによって20代から増え始めた体重が影響し、
糖尿病の患者が増加してくるのもまた、37歳。
「30代で糖尿病を患っている人は増えていますが、気づいていない方も多い。
糖尿病はサイレントキラーと呼ばれており、悪化していても、
ほとんど症状が出ないことがもっとも怖いのです」。
つまり、肥満による糖尿病の悪化、
それに伴う心疾患のリスクも37歳で上昇してくるということになります。
一方、女性の場合、30代の新・厄年である39歳で気をつけなければならないのは、
糖尿病ではなくがんです。
がんは年齢と共に発症率が上昇しますが、
なかでも乳がんは、30代から徐々に増加してくるのです。