40日ファスティング経験者の本音!

ファスティング(断食)の素晴らしさやファスティングの正しい方法、効果などを紹介しています。

武士道が生まれた背景  41 李登輝の武士道解題 19 第15章・武士道の感化 

・・・武士道の道徳は、わが国民生活の一般水準よりもはるかに

高い山脈を形成しているが、

私はこれまでそのなかのさらに高いいくつかの峯を考察したにすぎない。

太陽が昇るときは、まず最も高い峯の頂上を紅に染めて、

それから次第にその光を谷間になげかけてくるように、

まず武士階級を照らした道徳の体系は、時間がたつにしたがって、

一般民衆の間からも、それに追従する者が出てきた。

民主主義は天成の指導者としての王者を育て、

貴族主義者は王者の精神を民衆の間にゆきわたらせる。

道徳は罪悪に劣らず、伝染しやすい。

・・過去の日本は、武士の賜によってつくられてきた。

武士はわが国の花であったばかりでなく、その根源であった。

天のあらゆる恵み、深い賜物は、武士を通してもたらされていった。

武士は民衆と社会的な階級によって離れていたけれども、

民衆の間に道徳の標準をもたらし、自らが模範となってこれを導いていった。

武士道には対外的教訓と対内的教訓の二つを認めることができるが、

前者は社会の安寧と幸福を願う善なる意思であり、

後者は徳のためにそれを強く実践しようとする規律であった。

・・武士道の精神が、いかにすべての社会階級に浸透していったかは、

男達とよばれている、ある特定階級の人物、

すなわち民主主義のこれらの天性の指導者の発達からもよくうかがわうことができる。

彼らは義侠心にあふれた男子であって、

その頭から爪先まで豪快な活力にみちており、

平民の権利の保護者であり、代弁者でもあった。

・・武士道はその最初に発生した社会階級より、いろんな道に分かれて流れ下り、

大衆の間に酵母として作用し、すべての人民に道徳の標準を供給した。

武士道は初めはエリートの栄光であったが、時がたつにしたがい、

国民全般が熱望するインスピレーションとなった。

大衆は武士の道徳な高さまで達することができなかったけれども、

大和魂」ということばは、

この島国の帝国の民族精神を象徴するものとなったのである。

・・武士道以上に、宗教の資格をもっている道徳的体系は他にない。

本居宣長は、わが国民の無言の言葉を表現して、次のように歌った。

 

敷島の大和心を人間はば

朝日に匂う山桜花

 

然り、桜は古来我が国民の愛した花であって、わが国民性の象徴であった。

とくにこの歌人は、「朝日に匂う山桜花」という言葉の大和魂柔弱な花ではなく、

自然という意味での野生のものであり、わが国土の特有のものである。

 

【解説】

新渡戸は武士道の道徳的高さが武士階級だけではなく、

すべての階層に浸透しているとみています。

日本人の血にはこの武士道精神が生きているのです。

ここに戻らないと根なし草になります。

サムライ・ファスティングの意味はここにあるのです。