少食ファスティングの基礎 玄米菜食 103 玄米食で病を癒す 24 がんを改善する玄米食 24 がん免疫療法 02
がん免疫療法は大きく2つの種類に分かれます。
1つは、がん細胞を攻撃し、免疫応答を亢進する免疫細胞を活かした治療で、
アクセルを踏むような治療法といえます。
もう1つは、免疫応答を抑える分子の働きを妨げることによる治療で、いわばブレーキをはずすような治療法です。
免疫細胞の機能を高めてがんに対する攻撃力を強める前者の治療法の代表的なものとして、
樹状細胞ワクチン療法があります。
これは、生体内で、樹状細胞ががん細胞からがんの目印を取り込んで、
それをリンパ球に伝えてがんを攻撃させる免疫システムを利用したものです。
後者の代表は、オプジーボ、キートルーダ、ヤーボイなどの免疫チェックポイント阻害剤で、
一部はすでに日本でも承認されがん治療に使用されています。
これらは直接がん細胞を攻撃するのではなく、
がん細胞を攻撃するTリンパ球にブレーキをかける分子の働きを阻害します。
これによって、Tリンパ球はがん細胞に対する本来の攻撃性を取り戻し、抗腫瘍効果を発揮します。
アクセルを踏む治療とブレーキをはずす治療は、
併用することで効果が高まる可能性があり、今後の研究に期待が寄せられています。
例えば、抗PD-1抗体薬は、がんを攻撃するTリンパ球ががん組織に浸潤しているときに効果を発揮します。
そのTリンパ球を作り出すことができるのが樹状細胞ワクチン療法です。
樹状細胞ワクチン療法で、まずがんを攻撃するTリンパ球を体内に作ることが、
がん免疫療法を成功させる鍵となると考えられます。
効果が明らかな免疫療法は限られています
これまでの研究では、残念ながらほとんどの免疫療法では有効性(治療効果)が認められていません。
現在、臨床での研究で効果が明らかにされている免疫療法は、
「がん細胞が免疫にブレーキをかける」仕組みに働きかける免疫チェックポイント阻害剤などの一部の薬に限られ、
治療効果が認められるがんの種類も今はまだ限られています。
・・・国立がんセンターサイトから・・・
●自由診療で行われる免疫療法(広義)では慎重な確認が必要です
「免疫療法(広義)」は発展途上の治療法で、
有効性(治療効果)が科学的に証明されていない免疫療法も多数あります。
効果が明らかになっていない治療法は、保険診療として認められていないことから、
患者が全額治療費を支払う自由診療として行っている医療施設もあります。
一口に「免疫療法(広義)」と言っても、効果が証明され保険診療になっているものと、
効果が確認されていないものがありますので慎重な確認が必要です。
患者さんやご家族が、標準治療が使えなくなるなど治療の選択に困り、
自由診療でのがん免疫療法(広義)を選択肢として考えるときには、
その選択をする前に公的制度に基づく臨床試験、
治験などの研究段階の医療を熟知した医師にセカンドオピニオンを求めることをお勧めします。