少食ファスティングの基礎 玄米菜食 97 玄米食で病を癒す 18 がんを改善する玄米食 18 病院の都合でがん治療はおこなわれる日本
「がんが見つかったら嫌だから」—そんな理由でがん検診を拒否している人も多い。
患者自身の意識の低さもあるが、医者側にも原因はあるようです。
ある医師は、
「本来は、がんにならないことが一番いいのですが、日本の医師は患者を『治す』ことにしか関心がない。
医者は難しい治療をするのが善で、それが本来の医者の姿だと思っているのです。
検診をやっている医者は、地位が低く見られる傾向にあります。
欧米では検診も医療の一つと考えられ、信頼も高い。
その意味で、日本は、予防医学の後進国なのです」このように予防という側面で遅れをとっているだけでなく、
日本の治療現場における構造の問題もあるというのです。
さらに「日本では、『がんの医者』といえば外科医が主流です。
がんと診断されたらまず外科に行く。
ですが欧米では、外科医と放射線科医、抗がん剤を専門とする腫瘍内科医の3者が、
その患者にとってベストな治療法を話し合うというのが基本です。
多くのがんでは、手術と放射線治療の治癒率は同じというデータも出ていますが、
日本人には『がんは手術で治すもの』という先入観がある。
がんを取り残す可能性があると分かっていても、まず手術が選択されることも多い。
日本での放射線治療の割合は約25%ですが、アメリカでは60%程度。
日本は圧倒的に少ないのです」。
手術の場合、放射線治療と比較して患者の身体への負担は大きいのはいうまでもありません。
合併症を引き起こして死に至るリスクは圧倒的に高いのです。
にもかかわらず、日本の「手術信仰」が強く根付いているのには、
「放射線治療や抗がん剤治療は、通院で行えるようになってきました。
いまでは、放射線治療の大半が通院治療です。
もともと放射線治療の診療報酬は高くありませんし、
とくに東京の病院では、差額ベッド代がないと経営が成り立たないところも多い。
身体に負担が少なく、通院治療ができれば患者さんにとってはベストですが、
病院も経営のことを考える必要がある。手術をして、入院をしてもらうほうがありがたい」と
医師はいいます。
日本では、「手術ができてよかった」と思われがちですが、
必ずしも、手術ができることが患者にとってベストな治療法というわけではないのです。
その治療によって命を縮め、がんで死ぬ人が増えているという可能性も否定できないのです。
またこの医師は、「いまの日本の医療は、医療者の立場からしか考えられていないものが多いと感じます。
今の医療水準ではがんを確実に防ぐことはできません。
けれど、がんを患ったとしても、がんが原因での死を迎えることは避けられるはず。
患者の視点に立った医療が提供できれば、がんで死ぬ日本人を減らせるはずです。」
まさにがんの死亡数を減らせれば、日本は本当の意味での健康長寿国になれるのですが・・・・。