健康リスクマネジメント 127 病気を予防する 22 予防医学の基本 11 タバコとガン予防 01 がんの最大原因・たばこ
タバコは食事と並んで生活習慣病、中でもがんの大きなリスクになっています。
国立がん研究センター「がん情報サービス」の一般向けサイトで
タバコとガンの関連記事があります。
1.がんの原因となるたばこ
がんを予防するためには、たばこを吸わないことが最も効果的です。
日本の研究では、がんになった人のうち、
男性で30%、女性で5%はたばこが原因だと考えられています。
また、がんによる死亡のうち、男性で34%、女性で6%はたばこが原因だと考えられています。
現在吸っている人も、禁煙することによってがんのリスク
(がんになる、またはがんで死亡する危険性)を下げることができます。
また、たばこは、がんだけでなく、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)や
脳卒中などの循環器の病気や、慢性閉塞性(へいそくせい)肺疾患(COPD)などの
呼吸器の病気の原因でもあります。
さらに、たばこを吸うことは、本人だけでなく、
吸わない周りの人にも肺がんなどの健康被害を引き起こします。
2.たばこを吸う人の割合
習慣的にたばこを吸う人の割合(喫煙率)は、この約50年間で低下してきましたが、
近年は下げ止まりの傾向にあります。
男性の喫煙率は、減少傾向が続き2015年では30.1%となっています。
女性の喫煙率は、10%前後を推移しながら横ばいからやや減少傾向になり、
2015年では7.9%です。
習慣的にたばこを吸う人(喫煙者)の中には、
たばこをやめたいと思っている人も多くいます。
「やめたい」と回答した人は約3割で、
「本数を減らしたい」と回答した人を合わせると、男女とも半数を超えています。
その一方で、たばこを「やめたくない」と回答した人は
男性で約3割、女性では約2割です。
国民健康づくり運動「健康日本21」(第二次)では、
「たばこをやめたい喫煙者が2022年度までに全員禁煙すれば、
わが国全体の喫煙率が12%に低下する」として、目標値を定めています。
この目標値は、「がん対策推進基本計画」にも使われていますが、
喫煙率は期待したように下がっていません。
このことは、がん対策推進基本計画の数値目標
「75歳未満の年齢調整死亡率20%減少」が達成できない理由の1つになっています。
【解説】
がんに多くの影響を与える喫煙はかなり規制されてきましたが、まだ甘い日本です。