断食救人類の書 19 飽食の日本 17 歯周病
このパーセンテージから見てもその感染力は恐ろしいもので、
地球上を見渡してもこの病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない」と記されているほどです。
まず細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
最近は、生活習慣病として位置づけられていますので、
食習慣、歯みがき習慣、喫煙、肥満などとも大きな関連があります。
中でも肥満、メタボは歯周病、歯科医による治療だけではなく、
生活習慣の改善、自助努力が歯周病治療を大きく左右するのです。
毎日、歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、
そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、
腫れたりします(痛みはほとんどの場合ありません)。
進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて、
歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。
口の中にはおよそ300~500種類の細菌が住んでいます。
この最近は、普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、
砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。
むし歯や歯周病をひき起こします。
その中でも歯周病をひき起こす細菌が特異的に存在していることが解明されています。
歯周病は、歯のまわりにある組織(歯周組織という)のいずれか、
あるいはすべてに起こる疾患の総称で、歯周疾患とも呼ばれます。
主として歯肉から炎症が起こる歯肉炎や歯周炎と、歯周組織の深部(セメント質、歯槽骨、歯根膜)から
非炎症性で破壊が起こる咬合性外傷に大別できます。
日本人の約7割が歯肉に何らかの異常があり、働き盛りの中高年では、
実に8割の人に歯周病があると報告されています。
これまで、歯周病は一度かかったら治らない不治の病ともいわれてきましたが、
20世紀末になってその原因が次第に明らかになってきました。
歯肉炎や歯周炎は、口のなかにすんでいる細菌(口腔常在菌)によって起こる感染症であるようです。
また、咬合性外傷は、歯周組織の適応能力を超えた力が加わることによって起こることもわかっています。
歯や口は、消化器官の一部としての役割をもっていると同時に、
体全体ともつながっていることを再確認することが重要です。
歯周病が口のなかにだけいる場合は大きな問題にはなりませんが、
長期間慢性化することによって、病原性をもった細菌が血液中に入り、
飲み込まれて口から離れた心臓や肺などの遠隔臓器に行き着き、そこに病気を起こす可能性が高くなります。
全身の健康をも守ることにつながり、高齢社会を豊かで快適に過ごすために極めて重要なことです。