40日ファスティング経験者の本音!

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健康リスクマネジメント 92 病気の方程式 83 身近な感染症 03  内なる脅威ウイルス 01 ヘルペス 01 

ヘルペスウイルス科のウイルス群でウイルス中最大のグループといわれ、

現在100種以上が知られています。人類と共に歩んできたウイルスです。

このウイルスはほとんど幼児期に感染するのですが、

いったん感染すると宿主(しゅくしゅ)となります。

幼児期にかかった水痘が、神経節に潜伏していて、

宿主の免疫力が落ちるとかストレスなど体内で再燃したものが、

帯状疱疹となります。

ヘルペスウイルスとは何かを

北海道立衛生研究所感染症センター微生物部長 岡野素彦の文章で紹介しておきます。

 

・・・紀元前からヘルペス(herpes)とは、ギリシャ語の「はう」という言葉に由来し、

既に紀元前から疱疹などの皮膚症状に関する記述があります。

原因がウイルスと分かったのは20世紀に入ってからです。

ところで、ウイルスとはそもそも濾過性病原体といわれたものの一つで、

通常の光学顕微鏡ではその姿をとらえることができませんでした。

これが可能となるには、電子顕微鏡の出現を待たねばなりませんでした。

その種類、約100種さて、ヘルペスウイルスは、細胞に核を持つ

ほとんどすべての真核生物に存在し、その数は約100種に及んでいます。

ヒトの場合、8種類が分かっています。

形態は同じで、膜を有し、正20面体のカプシド構造(骨組み)を持ち、

直径は150~200ナノメートル(1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1)です。

それぞれ、1から8までの番号(1番目は

ヒトヘルペスウイルス1とも命名されています)が付けられていますが、

5番目までは症状・発見者などに応じた名前が広く用いられています。

初感染(初めて感染する場合)と既感染(かなり前に感染している場合)があり、

それぞれ顕性感染(臨床的に明らかに分かる感染)と不顕性感染があります。

既感染にともなう顕性感染を回帰感染といいます。

このほかに特殊な例として、先天性感染症や周産期の感染などがあります。

水痘・帯状疱疹ウイルス(ヒトヘルペスウイルス3)では、

その初感染のほとんどが、水痘(「みずぽうそう」)という顕性感染を起こします。

しかし、ほかのヘルペスウイルスの初感染では、

それぞれに対応する顕性感染の発症率はまちまちで、

むしろはっきりしない場合が多いようです。

これらのウイルスが活性化し、顕性感染を起こす理由はさまざまですが、

主に宿主の免疫状態(生物が病気を克服していくしくみ)との関連が重要であると思われています。

単純ヘルペスウイルスと水痘・帯状疱疹ウイルスでは、

それぞれのヘルペスウイルス感染に関して、さらに触れてみます。

みなさんのほとんどが、あるいは身近の方で経験していると思いますが、

口唇やその周りに有痛性の水疱ができる口唇ヘルペスという病気があります。

これは、単純ヘルペスウイルス1型(ヒトヘルペスウイルス1)の既感染で、

免疫状態が低下した時(例えば、ストレスをかなり受けたり、疲れた時など)などに

出現する場合が多くみられます。

また、このウイルスは、単純ヘルペスウイルス2型(ヒトヘルペスウイルス2)と

同様に性器ヘルペスも引き起こします。

水痘・帯状疱疹ウイルスでは、前述した様に初感染では水痘となりますが、

回帰感染では帯状疱疹という有痛性の発疹が出現します。

 

エプスタイン・バーウイルス

エプスタイン・バー(EB) ウイルス(発見者の名前が付いています。

ヒトヘルペスウイルス4)は、

アフリカなどで小児に多くみられるバーキットリンパ腫

(報告した英国人外科医の名に由来します)というがんから

発見された特異なウイルスで、ヒトのがんにおける最初の原因ウイルスとして

一躍脚光を浴びました。

また、中国南部・東南アジアなどで発生の多い上咽頭がんでも

このウイルス感染の関与が示されました。

ところが、調べていくうちに、EBウイルスが、一般の人々には、

通常、不顕性感染していることや、初感染の一部で、

発熱、リンパ節のはれへ肝臓や牌臓の腫大をみる伝染性単核症となることが分かりました。

さらに、近年、臓器移植例(免疫抑制剤の使用)、後天性免疫不全症候群(AlDS)などの

免疫不全症におけるリンパ増殖性疾患・リンパ腫の発生が問題となっていますが、

その原因の大部分がこのEBウイルスの感染によることが判明しました。

すなわち、不顕性感染からがんをも含んだ多彩な顕性感染に、

このウイルスが関与していることが分かりました。