少食ファスティングの基礎 玄米菜食 119 玄米食で病を癒す 40 精神系の病気を改善する玄米食 08 うつ病とは 04
精神療法・カウンセリング
「うつ病の原因」の項でも述べましたが、「うつ病を引き起こす原因はひとつではない」ので、
休養、薬物療法では治療できません。
抗うつ薬で環境要因は解決しませんし、ましてや性格傾向も変わりません。
精神療法・カウンセリングは主に再発予防という観点が中心となります。
同じような状況の中で、うつ病が再燃・再発しないように、
ご自身の思考パターン・行動パターンを見直すということになります。
精神療法・カウンセリングの中には「認知行動療法」、「森田療法」、「内観療法」などさまざまな治療法がありますが、
共通している点はご自身の中に持つ「生きる力」を見出す点です。
重要なこととして、精神療法・カウンセリングは心の専門家が一方的に行うものではなく、
患者さんが専門家とともに考えていくという自主性が必須となります。
骨折を例に前述しましたが、医師が食事指導を行った際、大切なのは患者さんが
食生活習慣を改善する意志と行動であるのと同じです。
うつ病は治療を始めればすぐに治療が終わるというものではありません。
骨折など病院に通う必要のある身体疾患と同じように、
治癒していく過程にはある程度の期間が必要になります。
治っていく経過も、良くなったり、悪くなったりという小さな波をもちながら、
階段をゆっくりと1段ずつ上るように改善していきます。
そして、うつ病の8割ほどはほとんど
以前の元気が回復している状態=「寛解」状態を迎えることができるとされています。
治療の期間は「急性期」、「回復期」、「再発予防期」と大きく3つの期間に分かれると考えられます。
急性期にいちばん重視すべきなのが休養、回復期は薬物療法、
再発予防期は精神療法・カウンセリングとなります。
つまり、それぞれの期間の重点は治療の3本柱にも相当すると考えてよいでしょう。
「うつ病を引き起こす原因はひとつではない」ので、3つの期間がそれぞれどれくらいの時間を要するかは、
状況によってたいへん幅があります。
急性期が1か月~3か月、回復期が4か月~6か月、
再発予防期が1年~、というのが典型的なうつ病の場合の大まかな目安となります。
もちろん軽症で早期に治療を開始した場合には、
より早く再発予防期に移行することが可能となります。
生活習慣病と同様、早期に対応することが重要であることは変わりありません。